人材派遣会社パソナグループが、東京にある本社の主要機能を、淡路島に移す方針という記事。リモートワークが一気に普及し、本社やオフィスコストが無駄になりつつある今、いっその事地方に移転してコストを下げながら、施設のサービス内容を向上させるというのは一石二鳥のアイデアかも。少し前に、大学が都心一等地のキャンパスを売却したりして郊外にキャンパスを移して、より広い敷地で開校したのと同じような発想の気がする。
リモートワークが一般化してきた今、これまでは社員の要的な存在だった「会社オフィス」の必要性もどんどん下がり始め、中には物理的本社オフィスを無くすような所も。ソフト開発みたいな職種や、中小企業等は、そう言う移行の流れに乗りやすいのだろうけど、大手企業になり、利用する社員数が何百人、何千人にもなってくると、なかなか大変。弊社も、自分が所属する開発部門のビルだけでも、3フロアー+αのスペースがあって、全部で数百人くらい勤務しているけれど、今後はスペースを半分にして、しかもオフィスもフリーアドレスにして行く方針が既に発表されています。既存のオフィスを縮小するのは、まだやりやすいし抵抗感も少ないと思うけれど、このパソナのように、都内の本社を淡路島へといなると、人の移動も大変だろうし、なかなかの英断。記事によれば、淡路島に関連施設があり、福利厚生関係の設備も充実していることもあるらしいけれど、一寸前に話題になった「ワーケーション」の企業版にも見えます。
もともとのワーケーションは、社員が休暇と絡めて異動先で仕事もする事で気分転換や時間の有効利用などを考えるものでしたが、この本社移動は言ってみれば会社単位での「ワーケーション」と言えるかも。だから、通常はリモートワークだけれど、本社に出社となったら家族を連れて、関西地区や淡路島の観光を家族がして居る間に、本人は淡路島の本社で必要な仕事をするみたいな。以前聞いた話では、伊豆にサテライトオフィスみたいな物を作った企業とか、山間部にそう言うものを作りキャンプ気分で仕事みたいな話も聞きましたが、どうだろう福利厚生と合わせて、日本各地にそう言うオフィス設備を作るのは。で、その設備をワークシェアじゃ無いけれど、複数の企業で共用するみたいな。そうすると、これまでは「痛勤」とか言われて、オフィスに行くことが苦痛だったけれど、これからはオフィスに出社出来るのは「ご褒美」になる時代が来るかも(笑)。
リモートワークが普及して、会社という定められた場所に毎日通わなくなっているのに、場所や目的は異なるとは言え、オフィスに来て貰う工夫をすると言うのも本末転倒な気がしますが、「会社」とか「オフィス」というものの見方を変えるという意味では、既に同様の試みは存在しています。例えば、外資系企業が、オフィスのレイアウトを遊園地のような形にしたり、オフィス内のデザインをいろいろと変えてきたのは既に当たり前の話。その場合、都内で実現するとコスト高になるけれど、地方でとなればコストは下がるし、使い方次第では観光地とのセッティングで付加価値も生まれるだろうし。さらに言えば、そこに「引っ越す」となると抵抗感の多い人もあるだろうけど、「週に何日、月に何日出かける」ということであれば、抵抗感も下がる気がします。ましてや、そこが観光地であれば逆に付加価値になるだろうし。社員だけで無く、企業もワーケーションする時代というが、次のステップ、トレンドになるだろうか。
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