2020年8月17日

迷惑を振りまく

ダイヤモンドプリンセス号での感染対応の時にそのお名前を知り、以後不定期ではあるけれど、その発言や報道に注目していた、沖縄県立中部病院の感染症医師の高山義浩氏。東京や大阪などの大規模感染地域と同じくらいに緊迫している沖縄で、その患者対応に関して「敢えての発言」は、非常に考えさせられる内容。

陽性者数が増える中、それら全てを病院に収容していては、以前よりは施設に余裕があるとは言え直ぐに飽和して崩壊してしまうことは明らか。軽症者はホテルや保養所などに先ずは隔離して経過観察して、重傷者に医療リソースを集中させるというのは、人命を考えたら当然だし最良の処置のはず。ただし、それら軽症者は無症状だったり、本人に感染という意識が薄いままに、とにかく二週間は隔離生活を送らないといけないわけで、精神的に不安定になったり、ストレスが蓄積していくことは理解出来ます。ただ、そのはけ口として、弱い立場の看護師さんや医療関係者に不満をぶつけるのは問題でしょう。ご本人もつもり不満があることは理解出来る物の、これでは単なる弱い物虐め、反論されないことを知った上での卑怯な態度だと思う。

高山医師の記事は、感染者の態度に関してですが、実は別記事に書いた昨日の法事の時、浜松の新型コロナウイルスの話になったときに、その陽性者に対して周りからだけで無く見ず知らずの人からの誹謗中傷(バッシング)が酷いという話になり、「田舎の怖さ」みたいな話も出てきました。そのご住職が、都内のお知り合いと電話したときには、本気か冗談かは不明ながらも「もう東京ではコロナは普通で、誰も騒がなくなった」と言われたとの話しでしたが、浜松やその他地方に行ければ「周りの目」というのは非常に恐いんですよね。良く地方生活に憧れて地方移住したのは良いけれど、隣近所や自治会(地域単位の互助会組織みたいなもの)対応に疲弊して、地方を離れる人も多いのですが、その弊害がもろにでている感じ。私は知らなかったのですが、浜松で陽性者になったある人は、最初は匿名だったのが、余りに酷いバッシングにたまりかねて、とうとう実名を名乗り出て被害を訴える事になったらしいという話も。中には、陽性と知りつつ無節操に夜の町に繰り出したり、疑いがあるにもかかわらず無責任な行動をして居る人もいて、そう言う場合にはそれなりに非難されることもありかと思いますが、殆どの人は別に感染を広げようとして日常行動しているわけでは無いわけで、そこに落ち度は無いはず。それを責めるのは、全ての病気を責めるような物だと思うのですが。

高山氏のFacebookの他の記事も読んでいくと、一般のメデイアで伝えられる「沖縄県の惨状」「後手に回る沖縄県の対策」みたいなイメージが、かなり違っていることに気がつきます。さらに、米軍対応に手中して、足下の検査が後手に回ったことに対しての反省や、休業補償した夜の町の女性従業員が、その間どの様な行動とるのかという問題提起(これは新宿のホストクラブ休業の時に、それらお店の従業員が、池袋とか名古屋に流れて問題になったはず)とか、可能ならば政府の分科会で取り上げて欲しいようなことも多々含まれています。自分達が今必要なのは、三密回避とうがい、手洗い、マスクの励行なんだけれど、それに加えてモーニングショーやワイドショー等の「加工済み情報」から離れて、こう言う現場からの生の声に耳を傾けてみる事が大切だと実感します。

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