2020年8月15日

倒産件数の多寡

東京商工リサーチが発表した「新型コロナウイルスでの倒産410件」というニュースを見て、実は最初に感じたのが「あれ、想ったより少ない」ということ。実は、最初「8月で410件」と思ったんですが、今年2月からの累計が「410件」なんですね。だから、それを知ってますます「コロナの影響って、どうなんだろう」という疑問が。

まずは、年間でどれくらいの倒産件数があるのか知りたくなり、その東京商工リサーチの記録を見てみました。おおよそ直近3年間の推移が分かりますが、実は新型コロナウイルスが発生した2月からみても、直後は前年比で増加しているものの、5月には半減していて、6月7月は落ち着いている気がします。5月に大きく減少しているのは、このあたりから給付金とか支援策が効果を現してきたのだろうか。

  • 2020年 ※今年度と()内は前年同月
    • 7月: 789件(802件) / 1008億2100万円(934億円)
    • 6月: 780件(734件) / 1288億1600万円(869億5700万円)
    • 5月: 314件(695件) / 813億3600万円(1074億6500万円)
    • 4月: 743件(645件) / 1449億9000万円(1069億1600万円)
    • 3月: 740件(662件) / 1059億4900万円(971億1400万円)
    • 2月: 651件(588件) / 712億8300万円(1949億8400万円)
    • 1月: 773件(666件) / 1247億3400万円(1683億7400万円)
  • 2019年
    • 12月: 704件(622件) / 1568億6400万円(817億9200万円)
    • 11月: 727件(718件) / 1224億5200万円(1212億7900万円)
    • 10月: 780件(730件) / 885億7800万円(1176億1900万円)
    • 9月: 702件(621件) / 1129億8500万円(1841億9700万円)
    • 8月: 678件(694件) / 871億4900万円(1212億6800万円)
    • 7月: 802件(702件) / 934億円(1127億1100万円)
    • 6月: 734件(690件) / 869億5700万円(2195億2700万円)
    • 5月: 695件(767件) / 1074億6500万円(1043億9900万円)
    • 4月: 645件(650件) / 1069億1600万円(954億6700万円)
    • 3月: 662件(789件) / 971億1400万円(1326億7200万円)
    • 2月: 588件(617件) / 1949億8400万円(899億7900万円)
    • 1月: 666件(635件) / 1683億7400万円(1045億5900万円)
ただ、この集計に含まれない「負債額1000万円未満」の倒産は、実はもっと多くて中小企業とか個人店舗などは、もっと大きな影響を受けている気がします。またDIAMOND onlineの記事では、これからの「コロナ倒産」「コロナリストラ」を警告していて、下半期はさらに油断できない状態になりそうですね。
ちょっとビックリしたのは、2019年の全国企業倒産(負債総額1000万円以上)は8,383件で、ここ30年間で3番目に少ない件数で、かつ負債総額の1兆4854億6900万円は、30年間で最小。今年の後半の状況で、新型コロナウイルス倒産の影響がどれだけでるか不明ですが、これまでの状態が続くのであれば、実はコロナの影響はそんなでも無いと言えるし、今後の状況次第では「リーマンショック級」の影響もでるかしもれないし。ただ、株価を見ると、リーマンショック時の3倍位に戻っていますから、当時よりは良いのかも。

ところで、上の1994年からのグラフを見ていて思ったんですが、「経済が悪い」「デフレで」と言いつつも、途中リーマンショックでの停滞はあるけれど、少なくとも倒産や負債額をみるとかなり減少してきているんですね。負債額なんて、最大の2000年の23兆円余りと比較して6%程度(1兆4千億余り)と激減している。経済活動を「倒産件数・負債額」だけでは計れないけれど、現在はそんなに悪い状態では無いんじゃ無いかという気がしてきました。だからこそ、今大胆な改革なりをすれば、一気に大躍進する可能性もあるんじゃ無いだろうか。

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