第61期王位戦7番勝負に挑戦していた藤井棋聖が、木村王位をストレートで破り、新王位を獲得。これで、棋聖、王位の二冠(二期)となり、同時に八段にも昇格。これまで二冠の最年少記録だった、羽生九段の21歳11ヶ月を破るとともに、八段昇格最年少記録の加藤一二三九段の18歳3ヶ月の記録も破ることに。以前から、周りから注目されて騒がれているのに、何かそんなことにはお構いなく自分の世界を保ちつつ、飄々と王位タイトルを獲得した印象です。
勿論藤井二冠の八段昇格記録は素晴らしいのですが、それまでの記録であった加藤一二三九段の時には、順位戦を毎年勝ち上がりA級昇格して獲得した物。プロになってC級2組から始まり、毎年勝ち上がって(C級2組→C級1組→B級2組→B級1組→A級)。14歳でプロになって、毎年一つずつ勝ち上がっていくのだから、最年少記録は塗り替えられたけれど、この順位戦の最年少記録は加藤九段が未だにもっているはず。今では、テレビで見かける陽気なお爺ちゃんみたいな感じだけれど、やっぱり偉大な棋士であることは間違いないなぁ。
実は、昨日は流石にタイトル奪取が気になり、午後はAbema TVの中継をモニターの隅に出して、にわか将棋ファンになっていました。まぁ、将棋なんてもう何十年もやったことは無いし、盤面を見て何か分かるはずもなく、実は時々表示されるAI判定の様子を見て楽しんでいました。終盤、70手位からは何となく画面にも慣れてきたので、ずっと見ていたんですが、その時点では70:30位で藤井棋聖優勢だった物が、一手毎にその優勢の%が上がって行き、最後には99%:1%と、ほぼ積みの状態に。最後は、解説の人も「どれだけ逃げ回るか」みたいな事を言い出して、確か80手目かな、藤井棋聖が駒を打つと、結構直ぐに木村王位が投了して、7番勝負の4番勝負で新王位が決定しました。何度かテレビで見ている光景だけれど、「参りました」と投了するときの、しかも昨年苦労して獲得した初のタイトルを、今度はストレートで敗れて失うときの気持ちはいかばかりだろうか。
次の目標となる「九段昇格」の最年少記録は、渡辺明三冠の「21歳7ヶ月」で、藤井二冠がこの年齢になるのは、2024年2月と言う事で、かなり余裕があります。九段昇格条件の中で、一番可能性があるのは、もう一期タイトルを獲得して「タイトル三期獲得」での昇格で、これは早ければ今年から来年に賭けて達成する可能性があるので、次の話題は「九段昇格」でしょうか。段位もそうですが、藤井二冠の場合、AIとの勝負という、対戦相手以外との知恵比べの面白さがあるのも別格ですよね。今回、1日目の封じ手が、AIは最善手と選んだ物と同じだったけれど、普通は選択しない手であると解説されていました。でも、その手が嵌まって、今日はどんどん形勢を有利に運んで、最後は1時間近く持ち時間を残して勝利したわけで、何か対人との対戦だけで無い、知恵比べの面白が私みたいな素人にも感じられてきます。やはり、彼は「新しい将棋」を見せてくれているんだろうか。次の活躍にも期待したいし、是非先輩棋士・後輩棋士にかかわらず、「ストップ藤井」をする強者の登場を期待したいですよね。
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