2020年8月21日

「いいね」の意味

ジャーナリストの伊藤詩織氏が、国会議員の杉田水脈氏に対して、杉田氏の一連のツイートに関して伊藤氏に対しての誹謗中傷ツイートが付けられ、それに対して杉田氏が「いいね」をしたことが、伊藤氏に対しての名誉感情侵害に当たるというもの。伊藤氏に関しても、杉田氏に関しても、個人的にはいろいろ思うところのある人達なんですが、取りあえずその部分は忘れて、Twitterの「いいね」ボタンに関してちょっと思うところを。

Twitterのツイート(記事)に対して出来る動作は、1) コメントする、2) リツイートする、3) 「いいね」する、の3動作。1) のコメントは、何らかの意見なり言葉を書き込むわけだから、その内容によっては問題が発生する可能性があります。2) のリツイートも、何らかのコメントを付けてリツイートすれば、そのコメントに関してリツイートした事との関連性が推定されて、某かの意思があると思えるけれど、単に元のツイートを引用するだけならその意図は分からない。この点は、3) の「いいね」すると言う行為と似ていると思うんですが、3) は「いいね」ボタンと恰もそのボタンをクリックすることが「賛成を意味する」ような印象を受けるのが問題なのかなぁ。

大概のSNSは、似たような仕組みになっていて、ただFacebookは「いいね(like)」からさらに、「Like, Love, Care, Haha, Wow, Sad, Angry」といった感情表現が選択できるようになっています。確かFBも昔は「いいね」しか無かったけれど、色々コメントが付いて「Like/Unlike」になって、それが現在のように変わったんじゃ無かったかな。まぁ、大元のボタン名は「いいね」だけれど、そこに複数の感情・印象が込められているから、クリックした人がどう言う感情で反応したのかある程度判別できる点はFBの方が進んでいる気がします。ただ、Twitterでも同様だと思いますが、「いいね」をマーキング目的に使用して居る人も多いと思うので、その場合FBでもどのボタンを選ぶのか悩むわけで、そうなると特別な感情を含まない一番ベースの「いいね(Like)」をクリックして、その記事をマーキングすることになるのは同じでしょうね。その点YouTubeは「Like/Unlike」があるから、その映像に関して「好き・嫌い」を表明可能で、マーキング目的としての使い分けも可能。ただ、その場合でも、個人的に好き・嫌いの表明なのか、マーキングなのかまでは分からない。

もともとTwitterや他の多くのSNSは、ちょっとした自分の気持ちとか思ったことを簡単に表明するだけのツールだったはず。だから、文字数とか機能にも制限があったわけです。それが、特にTwitterが何故か世界中に拡散して、いつの間にか単なる「呟きツール」の範疇を超えて、言論討論の舞台になったり、呟きとはとても思えない意見表明の場になったりと、何か元々の目的や意図を超えて使われ始めた歪みの一つじゃ無いかと感じます。それは、文字数や機能の不足だったり、利用者側の情報リテラシー不足だったり、幾つか理由はあると思うけれど、結局は使い方が間違っていることが一番の理由じゃ無いだろうか。「間違っている」というか、利用目的の変化に追いついていない、と言う方が正しいのかな。裁判でどう言う結論が出るか分からないけれど、仮に今回の件が有罪となると、与党・野党問わず同様のことをやっている国会議員の皆さんは困るんじゃ無いだろうか。逆に、無罪となれば、お墨付きを得たと言う事でエスカレートする可能性もあるし、どちらに転んでもギスギスした世の中になるのは変わらないような。ただ、仮にも「国会議員」たる存在なんだから、その行動に関してはもう少し慎重になるべきなことは確かかも。

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