2020年8月21日

出口が見えてきた

新型コロナウイルスに関する日本感染症学会のシンポジウムが昨日都内で開催されて、政府分科会の尾身会長が「全国的に感染は大体ピークに達した」との見解を表明。東北大の押谷教授も、アメリカや欧州等で見られた感染爆発による、数万人規模の重傷者・死者が発生して医療崩壊する最悪のシナリオは回避されつつあるという見解を示して、まだまだ遠くではあるけれどやっと出口が見えてきた感じですね。

個人的に参考にしている東洋経済のサイトを見ても、全国的なPCR検査数はそれなりの件数を維持しつつも、陽性者数は以前と比べて数は多いけれど、減少傾向を示しているように見えます。重傷者数も減少傾向を示しているけれど、気になるのはここ最近死亡者数は二桁の数字が続いていて、これはこの気候も関係しているのかもしれないのですが、こちらは注意が必要な気がします。地域別に見ても、東京都の傾向は全国的な傾向と同様に見える半面、大阪はまだ少し落ち着いていない印象。一時大きく話題になった沖縄は、直近の死亡者数が多いけれど、全体の傾向としてはかなり落ち着いて来ている印象を受けます。テレビのワイドショーなどを見ていると、未だ日本国内には新型コロナウイルスの猛威が蔓延している印象なんだけれど、毎日報告される陽性者数にしてもPCR検査数との比較をすれば、以前とそんなに変わらない率だし、一番重要なことは、やはり「死亡者を出さない」という点に尽きる気がします。

その死亡者数ですが、確かここ数日というか1~2週間で増えていることは確か。ただ、「増えている」とはいえ、以前は0~5人だったものが、10~15人になっている「程度」で、以前言われていたような、何千何万という死者が発生しているわけではない。大体、7月に入って陽性者数が再び増加傾向を見せ、さらには「Go Toトラベルキャンペーン」を始めるという時期には、「日本はニューヨークになる」と散々メディアで喧伝されていましたが、確かに7月中は増加して危機感を感じた時期もあるけれど、結局はニューヨークの二の舞にはならなかったし、散々言われた「Go Toトラベルキャンペーン」の影響も、7月下旬の行動履歴の影響が出るであろう8月中旬の状態を見ても、陽性者数にしても、重傷者数にしても減少傾向になっていて、今の所影響が出ているとは言えない状況。死亡者数が増えて高止まりしているのは、多分8月の初めあたりの重傷者が影響していると思われるので、もう少し注意が必要でしょうけれど、8月の中旬くらいから一気に減っているので、今後は落ち着くんじゃ無いだろうか。いずれにしても、メディアが煽った「第二のニューヨーク」は起こらなかったし、感染爆発も現状が続けば恐れることは無い。専門家の人達の冷静な分析と、医療関係者の努力と、後は中にははみ出した人もいたけれど、多くの国民が基本的な対応をちゃんと守っていたという、総合力の勝利が見えてきていると言って良いんじゃ無いだろうか。

勿論油断は禁物で、ここで気を許したら、又これから秋に向けて第3のピークが生まれてきてしまうかもしれない。そうならないためにも今必要なのは「正しく恐れる」事なんでしょうね。その為には、今回の学会のように、専門家の人達の情報は欠かせないわけで、そう言う情報をちゃんと選択して注目していくことが重要ですよね。そこは、情報リテラシーの話にもなるし、無責任に勝手な情報を振りまくワイドショーの責任も大きいし、さらには「自称専門家」なる人達の存在や行動に関しても、本当はもっと精査されていかなきゃいけないと思うんですよね。社会的に大きな影響を与えて、未だ終息する気配を見せないけれど、例えばリモートワークであったり、特別給付金など全国民対象の後期用サービスの問題点だったり、履歴モニターアプリの「COCOA」だったりと、これまである意味日本独自の風習というか「日本式」の問題点をこの機会に解決するような動きが出てきたことは、個人的にはプラスじゃ無いかと感じています。全部が全部良いわけでも無いし、全てを取り込めるわけでも無いし、其れ以前に経済的に影響が大きくてどうなるんだと困っている人も多いけれど、何となく続いていた旧態依然とした日本社会が、この「新型コロナウイルス」に対して一致団結して向かうことで一皮剥けそうな気もしています。コロナで困っただけで無く、コロナで新しい世界が始まったと、後で言えるような結果を是非残したいですね。

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