2020年7月14日

逞しい命

昨日はお盆(新盆)だったので、夕方結構強い雨の降る中玄関先で迎え火を焚いていたときのこと。玄関横に立てかけてある、葦簀の日除けに何か変なものが付いています。最初は、落ち葉か何かが丁度葦簀の間に挟まったのかと思ったんですが、近づいてよくよく見ると、なんと脱皮中の蝉でした。

蝉の抜け殻は、子供の頃集めるのが良い遊びだったけれど、流石に脱皮して羽化する所を見たのは、生まれて初めてです。普通は、確か早朝に地中から出てきて、朝日とともに脱皮が始まり、その太陽光で体が乾いて段々としっかりして、飛び立っていくんじゃなかっただろうか。

前日の日曜日は、ずっと続く梅雨空の中、始めて夏らしい暑い一日になり、浜松の最高気温も31度を超えるくらい。昼間外に出かけたときに、「もしかしたら、これで梅雨明け」と期待もしましたが、月曜日は朝から曇り空でお昼からは再び雨になってしまいました。この蝉君も、日曜日の暑さで「お、夏が来たかな」と地中で判断したものの、外に出て来たら曇り空から雨模様。仕方が無いので脱皮し始めたところに、さらに低温もあって力尽きたんだろうか。もしかしたらと、暫く見ていましたが、本来ならこの状態から腹筋するように上に頭が上がってきて、その後、殻の中に残っている後ろ足とか体の残り半分が外に出て、そこから今度は今緑色の羽が広がって全体が茶色くなるはずですが、ずっとこのままです。「あぁ、可哀想に...」と思いながらこの日は終わったんですが。

前日の深夜から明け方に掛けて、凄い雨音で余り眠れず、まだ雨模様の朝方。気になって昨日の脱皮の場所へ行ってみたら、なんと蝉の抜け殻だけが残っていました。昨晩の激しい雨にたたき落とされたかと周りを見てみましたが、それらしきものは落ちていません。鳥にでも食べられたかなとも思ったんですが、昨晩の雨では鳥も飛ぶことは難しいだろうし、抜け殻の一度割れた背中の部分もしっかり閉じていたので、どうやら時間は掛かったものの、何とか羽化できて飛び立っていった様子。

前日は、「自然は厳しく残酷だなぁ」とか思っていた自分が浅はかに感じる位自然は逞しいなぁ。こうなるのなら、定点カメラでも仕掛けておけば良かったと思ったりもしたけれど、まぁ科学番組でもないし、結果良ければ全て良しと思うことにします。

一つ残念なのは、天気予報ではまだ一週間位梅雨空が続いて、梅雨明けは21日過ぎという予報。そうなると、この蝉君は一度も夏空を見ずに寿命を全うすることになるかも。今日から明日に掛けては、豪雨の予報もあるくらいだけれど、水曜日くらいには夏空を元気に飛び回って、元気に鳴き声を聞かせて欲しいなぁ。自然の逞しさに、一寸自分も元気を貰った気分です。

0 件のコメント:

コメントを投稿