2020年6月25日

自業自得の2位

日本のスーパーコンピューター「富岳」の計算速度世界一に関して、何度も政権与党時代の「2位じゃだめですか」の事業仕分け時代の発言が取り上げられる立憲民主党副代表の蓮舫議員。流石にウンザリしているのか、「議事録を読めば」とチクリ。

一番の問題は、前回も書いたけれど「事業仕分け」という政治の仕事を「事業仕分けショー」としてメディアと共に政治ショー化して、恰も「厳しく予算用途を精査する自分達=正義、理由無き予算請求をする組織=悪」みたいな構図を作って、「勧善懲悪」みたいな見せ方をして国民へのアピールに使ったこと。勿論、中には本当に使途が明確で無い予算を適正化したり、優先順位を付け替えた修正もあったと思うけれど、全体の多くは一方的に自分達の主張を相手に威圧的に要求しているような様子ばかりで、正直相手の説明すら遮るような状態で、双方が実のある協議が出来たのか大いに疑問。どうしたって、お金をもらう方の立場が弱いわけで、お金を出す方の機嫌を損ねないように説明しようとすればするほど、相手は「簡潔に」「納得いかない」「理解出来ない」みたいな否定的な反対意見を言われたら、ああいう交渉事に慣れていない人も多いだろう組織側の参加者としては、回りのメディアの圧力もあるし、沈黙するしか無いでしょうし。今回は、そんな状態の中で彼女が発言した中から、キーワードとなる「2位じゃ駄目なんですか」という部分が切り出された訳ですが、それもこれまで散々メディアがやって来たことだし、自分達もそれを利用して与党を攻撃していたわけだから、正直「自業自得」とししか言いようが無い。

さらに「議事録を読めば」と反論しているけれど、これもこれまで逆の立場だったこと。例えば森友学園の獣医学部設置に関して、散々総理のお友達と癒着しているとしか言っていなかったけれど、それまでの文科省と専門家会議との記録を見れば、文科省の対応が拙かったことは明らか。その選考過程にも、確認する部分はあったけれど、彼らが言うところの疑惑に繋がる事もない。それは当時の担当者の一人だった、故加戸前愛媛知事も国会で発言しているのに、メディアも彼らも取り上げない。そう言うことを散々これまでやってきたのに、いざ立場が逆になると「議事録を読め」と言っても、「その口が何を言う」としか言いようが無い。これを契機に、ちゃんと相手の主張も認識した上で、その上で是々非々の話をするなら理解出来るんですが、実は同様の「自業自得」というかブーメランは、これまでも何度も戻ってきているけれど、そんな前向きかな反応は一度も無かったわけで、多分今回も自分は被害者、ちゃんと読まない相手が悪い位の認識しか無いんでしょうね。そこが、彼らの一番悪いところと言うか、狡いところだよなぁ。

推測だけれど、彼らは「何故自分達ばかり攻撃されるのか」と不満を感じているのかもしれないけれど、それって自らが他者に対して行っていることでもあるんですよね。しかも、彼らは一度は与党政権を担った経験があるのに、それがいまの政治活動に全く生かされていない。自分達の気に食わないことがあれば、直ぐに「審議拒否」と脅かすしか手段が無くて、建設的な議論なり提案をする気配すら無い。彼らは、いまの安倍政権を何かにつけて批判して、その中には的を射ている物も多いのだけれど、それでも歴代最長政権になりそうな安倍政権を交代させられない最大の理由は、それに足りる存在感が彼らに無いから。存在感というか、民主党時代の失敗から少しも成長していないから、次の政権の選択肢に入ってこないのは当たり前。逆に、旧民主党政権時代の中心議員が、野党を離れるとそれなりの存在感を感じる議員に「生まれ変わる」のは、やはり組織として何か問題があるんじゃ無いかと、いつも感じる所。そろそろ次の衆議院選挙が囁かれる時期になってきたけれど、「野党第一党」の地位も、もしかしたら次は危ないかもしれない。それも、この7年余りの間自らが行ってきた事の揺り返し、言ってみれば自業自得の結果なんですよね。それにいつ気がつくのか。(まぁ、無理だろうけど...)

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