2020年6月23日

蒸し返し

理化学研究所と富士通が共同開発しているスーパーコンピューター「富岳」が、今回の計算速度世界ランキング「TOP500」で一位になったというニュース。日本のスパコンが計算速度世界一になるのは、2011年6月と11月の「京」以来9年振り。その富岳は、まだ完成前で8割位の性能しか出ていないのだけれど、計算速度は41京5530兆回で、2位の米国のスパコンの2.8倍の速度。ただし、来年の予定で米国も富岳を越える100京クラスのスパコンを開発しているそうで、来年度以降のランキングはどうなるか不明なんですよね。技術革新はのスピードは、ますます加速している気がする。

で、スパコンのランキングとなると必ず登場するのが、民主党政権時代の蓮舫議員の名(迷?)台詞「2位じゃ駄目なんですか」。コメントを求められて蓮舫氏は
「文部科学省も理化学研究所も、前向きな改革に取り組んで来られた努力に敬意を表する」
とコメントして、当時の発言に関しては、
 「速度が世界一になったとしても、使い勝手が悪ければ使われない。スピードばかりにこだわる理由を問うた」
と回答したらしいけれど、苦しい言い訳に聞こえるなぁ。 当時は、その当時世界一を目指していた「京」の開発中で、その開発に対して仕分けをして削減しようとしていたわけで、そこに「使いが伝云々」の話は無かったと思う。当時の仕分け作業は、とにかく「無駄を省く」の御旗の下に、「どんな無駄を省くか」と言うよりは「どれだけ予算削減できるか」という視点での政治ショー化していましたからね。勿論、予算増額された事業計画も有るけれど、それって本当に極々一部で、殆どの事業は良くて予算削減、悪ければ「事業中止」とされて、それを観て喝采を叫んでいた国民も多く居たことも事実。限られた予算を、より有効且つ効率的効果的に配分することは、勿論必要だし重要だと思うけれど、その行為が余りに恣意的に行われたのが当時の事業仕分け作業の問題だったと思う。

勿論、蓮舫氏が言うように、「世界最高」という目標が全てに優る理由にならないことも事実だし、巨額の予算を入れるだけにそれなりに精査する行為は必要だと思う。ただ、そうであるなら彼女が質問するべき事は「2位じゃ駄目なんでしょうか」ではなく、「1位を目指す明確な理由説明」を問うべきだったと思う。当時の朧気ながらの記憶では、理研側も「気候シミュレーションが」とか、説明していたと思うけれど、もう一歩踏み込んで「天候予想が高確率になれば、作物の収穫量も〇〇%向上し、経済的に効果が期待出来る」とか、そう言う説明が出来なかったのは拙かったと思う。それに、相手のスピードに負けていて、ついつい説明が長くなって途中で切られたりして説明不足感は否めなかったし。司会者側の民主党側の運営方法も不味かったと思うけれど、もう少し海千山千の相手と対峙するという覚悟も必要だった気がしますね。それでも、何とかここまでこぎ着けた関係者の努力と苦労には感謝したいと思うし、既に次のスパコンに向けて新しい技術革新を目指して欲しいですよね。そう言う積み重ねが、当時の「2位じゃ駄目ですか」に対しての回答になっていくと思う。

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