2020年5月4日

隠れ感染

神戸市立医療センター中央市民病院の研究チームが、外来患者1000人の血液検査から新型コロナウイルスの抗体を検査し、3.3%が抗体を持っていたと発表した記事。神戸市の人口は約150万人なので、3.3%だと単純計算で49,500人何だけれど、記事中では約41,000人になっている理由は不明ですが(沿うべし以外からの来院者を案配しているのかな)、それでも兵庫県全体の感染者数が今朝の時点で654人、記事によれば神戸市内の感染者数は260人との事ですから、200倍の違い。

先日も偏ったサンプリングの話があったけれど、この検査も来院者というバイアスが掛かっているから、ランダムサンプリングしての検査だともっと違う(多分もう少し低い値)が出るんじゃ無いだろうか。ただ、既に言われているように、既に隠れ感染している人、感染したけれど無症状で終わってしまった人は、実際に症状が発生して居る人の数と比べて、かなり多いという事はどうも確かそう。こうなると、有る程度の見えない感染拡大は想定した上で、出来るだけ重篤者に対しての対策に重みを置いて行くのが、今後の経済活動による社会的停滞を考えても望ましい対策であることは確かな様子ですね。今日発表される出口対策に関しては、一部規制を緩和して図書館とか公園などの利用を制限付きで開放するようなことも含まれるようだけれど、出来ればより広範囲のサンプリング抗体調査の結果を見てさらに対応策を進めて欲しい。

本当なら、新規感染者数が下降傾向が確実になた4月の20日位に、全国での特定地域でのサンプリング抗体検査をして様子を見ていると、もう少し今の判断が変わったかもしれませんね。その時に出来れば良かったのだけれど、今からでも現在の状況把握のためにも何カ所かで抗体検査を進めた方が良いんじゃ無いだろうか。例えば、大阪府なんかは積極的にやりそうな気がするし。それで、実は感染者数の人口比率は、日本も世界もそんなに変わらないけれど、重篤化や重篤者の治療の結果で死亡者数が今の状態にまで抑えられているならば、今のようにロックダウンに近い移動禁止令をもう少し制限を緩くしても良いように思う。只、その場合の大前提は、重篤者が出た場合に直ぐに必要な治療に回せるかどうか、医療設備医療環境が前提になるから、東京とか北海道とかは厳しめに、それ以外の地域では余裕状況によっては制限の硬軟を付けるという、地域毎の事情に対応すれば、かなり今とは違った状況になると思いますね。浜松なんかは、三密は厳禁だけれど、営業はほぼ通常通りにするとかでも良いかも。

課題は、その抗体検査のリソースをどう捻出するのか。街中に出ても、今は人が居ない状態だし、何処かに集まる事が無いから、かなり作業効率は悪い。献血の時に、血液の検査をするだろうから、そこにこの項目を入れるというのもアリかなと思うけれど、ルール上の問題があるだろうし、今は人が街中にいない状態なのに同血液を集めるのかという共通の課題も存在するし。今の所オーバーヘッドを掛けずにサンプリング用の血液採取出来るのは、やはり病院での血液検査でしょうしね。もしそう言う方法でも可能ならば、ガンの検査だったか指先に針を少し刺して血液を少し出して、それを吸着して送付するように、同じような方法でランダムに血液サンプルを収集して、それで抗体検査をするとか。そう言うツールキットの開発と準備、送付と回収、回収サンプルの検査、結果のとりまとめ、お金も人手も掛かりそうだけれど、次の戦略を練るためには今必要なアクションのだと思う。

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