2020年5月13日

聞く耳持たない質問者

立憲民主党の福山哲郎議員による、5月11日に開催された参議院予算委員会での質問が酷いという話があり、ちょっと気になって調べてみました。twitterで出回っている2分位の映像が、誇張されている、切り出されているという話もあったので、オリジナルの映像を探して観てみました。

参議院のサイトから、5月11日の予算委員会のビデオにアクセス。福山議員の登壇は、15分30秒位から。最初は、例のタグの話から始まり、新型コロナウイルスの話は25分位から。ここでは、実際の感染者数が、分かっている人数の10倍、20倍、それ以上居ることの言質を取ろうとして、参考人として出席していた専門家会議の尾身副座長に回答を要求。しかし、実数を出せという福山議員の質問に対して、統計値推定値として「10倍かもしれないし、20倍かもしれない」と答える尾身副座長に同じ質問を繰り返す福山議員。うーん、何とか言質を取ろうとして理解していないふりなのか、本当に理解していないのか、不毛な質問のやり取りが続いた後で、何か野次が飛んだのか委員会が一時中断。これが、36分位で、そこから切り出されたのがTLに流れていた部分。ここで尾身副座長は、調べた陽性率が7%で、これは診察に来た人の割合だから、実際はそれよりも低いという話をすると、そんなこと聞いていない見たいな野次なのか何なのか確かに言っている。で、尾身副座長の回答が終わると、その直後の開口一番(38分15秒位)「全く答えて頂けなかった。超過死亡率は、2月3月と増えている」と言うんですよね。「全く答えて頂けなかった」というのは、流石に失礼だと思う。推定値を理解していないのだから、理解出来ないだろうとは思うけれど。で、超過死亡は「無かった」という話も別の機会に聞いたので、一寸調べてみました。

国立感染症研究所に、そのグラフがあり、21大都市の14週までのグラフでは、超過死亡は無いんですよね。2020年第14週が3月最後の週なので、2月3月増えたという話と整合性が無い。特に3月の後半なんて、ベースラインからかなり下がっています。個々の大都市でみると、東京の第9週(2月の終わり)から3月後半までは、確かに閾値を超えているけれど、3月最後はぐっと下がっている。そう言う意味では、知らない間に新型コロナウイルスで無くなっていて分からなかった、という事は無いような気がします。それに閾値との差は、昨年12月頃とそんなに違わないし。それ以外の都市では、名古屋、大阪などもほぼ平均値だし、そう言う意味では、新型コロナウイルスの犠牲者は出ているけれど、その分他の原因で無くなっている人が増えている様子も無いし。何の根拠で彼は超過死亡が増えていると言ったのか不明。多分東京だけの値を見て行っているんでしょうね。その当たりも、脇が甘いと思う。

この後、家賃支援とか学費支援の質問に移って、最後は「3月から自分達は要求している」みたいな自慢をして終わっているけれど、うーん、一通り聞いてみたけれど、質問している割りには、その回答に難癖付けているだけで、ちゃんと理解しているのか理解していないのかよく分からない。回答を聞いて、文句を言うのだけれど、例えば説明のどこが分からないとか、さらに質問するとかそう言う場面は無い。単に、自分の欲しい回答を要求して、それが得られないと何度も駄々をこねるように繰り返すだけのように見える。結局、一通り映像を見てみたけれど、何か問題とか質問があって、それを解決したい、回答を得たいというよりは、相手の言質を取りたい、失策を狙いたい見たいな言い方を繰り返している様にしか見えない。「10倍、20倍、言いましたよね」と繰り返すけれど、「それは推定の話」と説明しても「だから具体的には何人」と理解していない事を繰り返す。例えば、10倍の感染者が存在するとして、どう言う対策をとるのかとか、隠れ感染者を想定した院内感染防御の対策はどうするのかとか、もっと生産的な質問は幾らでもあると思うのに。結局、この人達は一番の国難の時にも役に立たないという事だけは再認識したけれど。ほんと、特定野党とテレビのワイドショーが無ければ、この感染も直ぐに解決するのにと、本当に実感しましたね。

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