2020年5月10日

矛盾する主張

昨晩の事。特に何を見るとも無くチャンネルをザッピングしていたら、TBS系列の「新・情報7DAYS ニュースキャスター」が、何故か早い時間から放送していて一寸手が止まりました。いつもは、土曜日の夜10:00からの放送ですが、昨日は何か特別版という事で1時間早く放送が始まっていたみたい。

今のご時世ですが、新型コロナウイルス関連の話題が登場するのは普通ですが、ここで「海外で成功している事例」紹介みたいなコーナーがあり、台湾と韓国の事例を紹介。IT先進国で、一人一人の行動履歴を把握して、感染者発生場所を地図にマップしたり、マスク購入が出来たり、IT担当者が素晴らしい、それに比べて日本は... みたいな内容。まぁ、日本のIT担当大臣が力不足以前なのは否定しないけれど、台湾にしても韓国にしても、そう言うことが出来るベースが有ることはここでは言わない。続くコーナーでは、特別給付金の話に移り、マイナンバーの登録やパスワード確認で、市役所などで何時間も待ち時間が発生したりしている様子等を放送。ここで、個人情報と紐付けられるマイナンバーには抵抗感が大きくて、まだ20%も登録者がいないことなどを伝えて、さらに「個人情報が不安」みたいな街頭インタビューも。いゃいゃ、台湾も韓国も、そう言うシステムを使って全体の行動把握が出来るから、ああいうシステムが可能になっていることを言わないと矛盾している主張になるのでは。

何だかなぁという印象でしたが、続くコーナーでは、リモートで出演していた東京大学の先生がPCR検査を増やすことについての話をされましたが、今の日本は検査数とその効果が丁度バランスが取れているから、無闇に増やす必要は無いとか、大学院生などを動員しても技術的・経験的に不足しているから、偽陽性が増える可能性があるとか、かなり現実的な説明をしていてちょっと安心。残念なのは、説明で使用するフリップが、スタジオ側でちゃんと用意できていなくて、リモートの画面越しに見たりした場面もあって、折角のデータが一寸分かりづらかったことでしょうか。只、その説明内容はデータや現場の声を尊重した、冷静な判断だったと思うし、この手のニュース番組、ワイドショー番組の中では、初めて聞いたような印象。

この番組は、個人的には比較的客観的に色々な情報を伝える番組だと思っていますが、やはり局の方針があるのか、時々「??」と思うときも。今回の場合は、台湾・韓国の状況とマイナンバーに対する抵抗感の矛盾を言わずに、こちらは素晴らしい、こちらは恐いみたいな筋立てにしていることに不信感。もし、それらの国の状況を知らずに「台湾、韓国、素晴らしい」と行っているなら取材(勉強)不足だし、知ってて作っているとしたら、昨日のテレビ朝日の話じゃないけれど、捏造・誤報と言ってもいい話。それって、放送局の免許交付にも影響する重大な話だと思うんだけれど、何故かするっと見逃されて終わりなんですよね。まぁ、もう慣れてしまって「あぁ、いつものこと」と感じるだけなんだけれど、そうやって段々と感覚というか反応がマヒしていくことで、何か知らないうちに世の中なり背景が変わってしまい、気がついたときには手遅れ、なんていうことが無いことだけは祈りたいけれど。

0 件のコメント:

コメントを投稿