2020年5月16日

検察庁法改正案

新型コロナウイルス以上の騒ぎになりつつある(しつつある?)、検察庁法改正案の問題。例によって、野党が反対しているその内容は、幾ら聞いても感情的で支離滅裂な点があってよく分からない。勿論、原文を見て自分で判断すれば良いのだけれど、難解な法律用語だったり、以前の背景を理解していないと、素人が理解するのは難しい。まぁ、例によって野党が反対しているのだから「多分問題無い事象」という漠然とした思いはあるし(笑)、少なくとも民主党政権時代も含めた、10年以上前から始まっている話を、急にここ最近話題に取り上げる不自然さも疑問。勿論、完全な法律、完全な法案なんて無いから、細かく見ていけば、不備な点もあるだろうし、まだ未定としか言いようのないこともあるだろうけど、そう言うことも含めて是々非々の話しをしないと、多分法律なんて一つも決まらないのでは。

幾つの解説というか、この件を説明してい記事を見て、この方の記事が一番理路整然としていて、かつ要点をまとめられているかなと思います。弁護士さんと言うことで、ある意味同じ土俵の専門家でもあるわけですし。で、この記事を中心に、関連する記事や情報を見てみて自分なりに感じるのは、

  1. 野党がしきりに言っている、黒川東京高検検事長の定年を延ばして、検事総長にするための改正、というのはデマ。物理的に年齢と適用期間の違いで無理。
  2. 政権が自らを有利に扱うために、恣意的な人事をするため、ということは、現状不確定な部分もあるので「全くない」とは言えないもの。それならそれに対しての対策を提案すれば良いと思うけれど、それが無い・出無いのが問題だと思う
  3. 「三権分立の危機」みたいな言い方がされるけれど、日本の場合例えばアメリカなどのように綺麗な「三竦み状態」ではなく、立法と行政が、どちらも「議員」によって行われる「2.5権分立」みたいな関係。そう言う政治体制の中で、三権が独立性をもって運用されることをどう担保するのかと言う話が本質な訳で、その点が今でている議論ではよく分からない。検察庁が行政の中にあること自体が問題と言う話にもなってきます。
  4. 今回「人事権」が話題になっているけれど、全てを内閣なり与党なりが指示する訳でもなく、多分検察庁内部からの推薦もあるだろうし、そこは「強制」みたいなものは無いと思う。というか、独立性を一番に考える検察庁なんだから、何か圧力があったなら自らそれを明らかにして解決するのが、検察庁の検察庁たる所以では。本当に危機を感じるなら、なぜOBとか部外者では無く検察庁自身が声を上げないのか、それが一番個人的には不思議だと思う。
検察庁OBが声を上げたとか、裁判官が反対しているとか、それはそれぞれの自由ではあると思うけれど、結局は部外者の声は参考にすることはあっても決定権は無いわけで、それを理由に議論を進めるのはおかしいと思う。ましてや、50万人程度のアカウントの書込が500万とか1000万だから、それは国民1000万人の声だとか、大きな水増しを根拠に話しを進める事は言語道断。そう言うフワフワした理由で重大なことが決まることの方が、よほど問題だし危険だと思う。それに、今文句を言っている野党にしても、10年間何をやってきたのか。確か最後の閣議決定は2018年だったはずですが、その時に何故今回の様な意見を言わないのか。昨年秋の時点でのルールと今回提出された改正案の内容が異なることも指摘されているけれど、これは昨年秋の内容があまりに漠然としているから、より明確な規定(追加された内容もあると思うけれど)に修正したとも見えるんですよね。だから、議論するならそういう部分だと思うのに、結局は黒川東京検事長優遇だみたいな陰謀論に走るから、どんどん議論は傾いていくし、混沌としていくだけの気がする。一番問題なのは、twitterという姿勢のツールの、正確性も不明な一つの結果を理由に、国の中のルールが決まっていくことの危険性だと思う。そっちの方が、よほど重大な問題だと思う。

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