2020年4月20日

PCR検査のボトルネック

新がコロナウイルスの感染拡大ととも、感染の陽性・陰性検査手段であるPCR検査の拡充を求める声も大きくなり、地域によっては所謂「ドライブスルー検査」を実施し始めるところも。以前は、検査で陽性が確認されると特定病院へ入院せざるを得ず、それ故に病院がパンクすることもあって、検査数は増やしたいけれど、収容施設のことを考えると闇雲に感染患者を見つけるのでは無く、より重症の患者さんを優先したい。それに関しては、ホテル等をまとめて借り上げて、無症状者や軽症の人を病院からホテルに移動させて、より重篤な人の治療を病院で集中することで、病院の治療崩壊を防ぎつつ、人命の救命も優先できる。それによってリソースに余裕が出来ることで、新型コロナウイルス以外の重篤者への対応も可能になるわけだし。

ただ、ここで疑問なのが、確かに入口であるPCR検査の回数を増やすし、出口である治療施設をレベル分けして拡大するのは良いけれど、肝心の「検体検査」をする検査技師の数はそんなに増えていないはずで、ここがPCR検査全体のボトルネックになっていることは、初期から言われていたこと。今は、献身的な作業で何とか検査数をこなしているんだろうけど、そこでいきなり検体の数が倍倍で増えては、一番重要な検査する部分が破綻してしまう。「ドライブスルー検査」と言うけれど、あそこでやることは「検体詐取」であって、その検体の検査をするわけじゃない。さらに「ドライブスルー」にしたのは、一般の施設内の作業だと、被験者一人毎に消毒やマスク等の交換が必要になるけれど、ドライブスルーの様なオープンな環境なら、そういう部分を有る程度省略出来るから効率よく検体採取出来るから。決して、あの方法が「PCR検査」自体の効率化に繋がるわけじゃ無い。最も効率化が必要なのは、検体の培養と試薬を使用した検証作業なんだけれど、そこに今何時間という手間が掛かり且つ人手での作業が必要だから大変。そこが何か解決されている様子が伺えないのが心配です。

海外だと、自動で検体培養をして検査出来るシステムもあるみたいですが、一台何千万円もするらしく、そう簡単に入手もできないみたい。だからこそ、当初は特徴的な新型コロナウイルスによる肺炎をCT等で確認して、その確認手段としてPCR検査で最終的に確定させるという方法を選んだけれど、これだけ感染者数が増えてくると、そう言うスクリーニング作業をした後でも対象となる検査対象者数は増えてきていて、結果的にボトルネックの検査作業をどれだけ効率化するか、リソースを投入して検査数を増やすか、その部分が見えてこないのが心配です。以前テストケースに絡めた話を書いたけれど、その論法で言えば、テストケースをどんどん増やされてカバレッジを大きくするのは良いけれど、そのテストをこなすだけのリソースも無い、機材も無い、やり繰りするのも限界なのに、期日だけは言明されるみたいな身につまされる話だなと再認識。

テレビなどで医療関係者が「PCR検査を増やして、患者を早期に見つけて」みたいな話をしているけれど、無症状の人を検査して発見できる確率よりは、検査して陽性を見逃して、その人が「やれよかった」と出歩いて感染拡大させる方が問題。有り余るリソースに、確実に陰性・陽性判定できる信頼性があるなら、片っ端から検査して判定すれば良いけれど、そう言う準備も無いのに、しかもそう言うことを知りながら「PCR検査拡大を」というのは、自分は関係無いから言える訳で、無責任の極みだと思う。個人的には、診察でPCR検査を要請されたので無いのに検査を要求する人は、借り上げたホテルを利用した専用の「治療待機場所」に無期限に入ってもらい、PCR検査に余裕が出来たときに順番に検査したらどうだろう。それで、仮に発症したら直ぐに治療する施設に移動させれば良いし、少なくとも陽性者が出歩いて感染拡大させるリスクは抑えられる。本人の行動は暫く制限されるけれど、でもそれがPCR検査を希望するときの制限事項とすれば、無闇矢鱈に要求することも減るんじゃ無いだろうか。最も、一番大きなのは、そう言う「手間」を要求することで、無責任に検査要求してくる人をスクリーニング出来ることだと思うけれど。

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