2020年4月14日

見出し詐欺

昨日も、メディア報道での見出しと本文の乖離の話を書いたんですが、この朝日新聞の記事も酷いなぁ。見出しは『「国は休業補償しない。交付金も使えない」西村氏が答弁』となっていて、このままだと、国は企業の休業補償は一切しないように聞こえる。でも本文を読んでみると、確かにそう言う発言はしたけれど、最後の方では、
他方、西村氏は、国は「補償」はしないが、売り上げが半減した個人事業主に100万円、中小企業に200万円を上限に現金給付などの「支援」策を講じることを強調。自治体が国と同様、「支援」として給付を行う場合には臨時交付金を使えるようにする考えを示した。
と書いている。つまり、名称というか呼び方は異なるが、実質同等の支援はすると言うことが一番重要な情報なのでは。

で、この記事を読んでいて思ったのは、この朝日新聞というメディアは、どこを向いて「報道活動」をしているのか、ということ。仮に、困窮している離職者とか仕事に困っているフリーランス等を意識しているならば、まずは最後の「100万円/200万円の支援」があることを強調するだろうし、例えばその手続き方法が不明だとか、何か問題があるのであれば、それを代弁者として問題追及するなり批評するのが、メディアの役割では。でも、見出しだったり、本文の最初の部分では、恰も国は何の支援も補助もしないと言っているような書き方をしていて、それって困っている人の役にも立たないし、単に政府批判をしたいだけなんじゃ無いのか。それに、この記事は全文が無料で読めるように公開されているけれど、通常の朝日新聞の記事だと後半は有料記事部分になるから、普通に読む読者は前半の「支援・融資無し」という情報しか得られない。

以前も書いたけれど、ある商品を購入して包装して貰ったときに、そこには「肉」と印刷されていたのに、いざその包装を解いてみたらその中には「通常この包装では肉を梱包していますが、今回諸般の事情から魚を包んでいます」と書かれていて、実際「魚」が入っていたようなもの。普通なら、中身と外見が違う偽装だと言われて当然なんだけれど、とうの販売者は「いゃ、中にちゃんと説明を入れています」としらばっくれるようなもの。少し前にあった、自動車メーカーの燃費偽装問題みたいなもので、あれを叩いたメディアの一つなのに、いざ自分達は同じような事をやって知らん顔しているのはどうだろうか。

「メデイア」という、情報提供が生業の企業が、一番必要な情報では無く、自社の方針なりを優先して誤解されるような方法で情報提供することが、果たしてその企業の「正義」として正当化されるのだろうか。ましてや、自らが「公共性」を主張して、さらには生活必需品として「軽減税率」まで受けている業種なのに、わざと誤解させるような報道を続けている。仮に「わざと」では無かったとしたら、何かの手違いだと言うのであれば、今一番国民が必要としている重要情報の報道を担当するものには、ちゃんとしたスキルを持った人間を当てて欲しい。まぁ、この新聞社の場合、これが初めてでは無いし、この話題自体これまで何度も報道されていることを、わざわざこう言う形で取り上げるというのは、それなりに特別な意図があるとしか思えないけれど。

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