2020年1月29日

武漢脱出

武漢市やその周辺など湖北省で缶詰状態になっていた邦人救出のため、昨晩羽田空港から武漢市に向かったチャーター便。日付が変わる頃に武漢の空港に到着し、今朝早朝に出発して、9時頃には羽田空港に到着予定。出発時には、マスク、防護服等、中国への支援物資や、多分機内で使用する検温計等に、医師、看護師、政府関係者30名が乗り込んだとの報道で、となると政府関係者は現地に残るとしても、医療関係者は何人か同行して日本に戻るだろうから、実際に搭乗できる邦人は200名を切ると思ったら、今朝の報道では第1便に搭乗したのは医療関係者4名に、帰国者206名と言っている。206名に、4名は含まれるのだろうか。あるいは、幼児なども含めた人数で、実際にはバシネットを使っているのか、まさかと思うけれどCA用のジャンプシートも使用しているとか。いずれにしても、帰国希望者は640名位との事で、当然この一回では間に合わず、今日にも第二弾のチャーター便が向かうようですが、使用機材は202名定員のB767-300だから、もう何往復するか、複数の機材投入が必要でしょうねぇ。

[P.S.2] こちらの記事によれば、使用機材はB767-300の国内線仕様機(JA607A)との事。国内線仕様なら、定員は270名だから、乗客206名に医療関係者4名というのは十分すぎる席数。さらに、症状の出ている人の席を隔離して設定したということでしたが、国内線仕様ならそれなりにスペースを確保できますしね。ただ、飲み物などはそれなりの量搭載出来るだろうけど、食事は軽食かパン類等くらいだろうなぁ。国内線用機材が使用できるなら、第一便でもう少し搭乗する事も可能だったんじゃ無いだろうか。あと、今日のニュースによると、中国政府がチャーター機は1国1日1便に制限しているという話ですが、それでも、今日、明日、とこの国内線仕様のB767-300が往復すれば、500名余りは運べますから、残り邦人440~470名全員が帰国出来そうですね。

日本側で機材や人員の準備が出来ても、肝心の中国・武漢側の受入体勢が整わないと勝手に飛行機を飛ばすわけには行かない。空港は閉鎖されているわけだから、まずは管制官にチェックインカウンターなどのスタッフ。機体の誘導に荷物などの積み込みなどの地上スタッフだって必要だろうし。帰国時の飲み物や食事は日本から搭載していくとしても、最低でも燃料補給は現地で必要だろうし、単純に考えても現地でのかなりのサポートが無いと無理。政府専用機を送るという話もあったみたいですが、政府専用機はB777-300だけれど、定員数は100名位ということで、ちょっと効率が悪いというか。実際、成田-武漢線を運用しているANAにしても、例えば機材をB777-300に変更するにしても、武漢線を飛んだ経験のあるパイロットで、B777-300のライセンスを持っているパイロットもかなり限定されるだろうから、元々の成田-武漢線で運用していて現在運休中のB767-300を投入するしか無いだろうなあ。

ふと思ったんですが、武漢からの救出便って、日本のこのチャーター便が初めてじゃ無いのだろうか。水曜日には飛ばすと言っていたアメリカのチャーター便が到着したというニュースもまだないし、韓国のチャーター便も30日31日という報道だし。中国側としては、春の習近平氏の日本訪問も睨んで、ある程度日本を優先したのかもしれない。ただ、各国のチャーター便が同時に武漢へ集まれれば、空港を開いて運用する効率も上がるから、この週末くらいには帰国希望者全員が帰国出来るような気もしますが、いずれにしても中国次第というのが何とも歯がゆい。今回の帰国者は、新型肺炎の発生原因と言われている海鮮市場周辺や、空港周辺で集まりやすい人を優先したとのことですが、場所によっては空港までの移動手段の無い人も多いだろうし、まだまだ時間が掛かりそうですね。

午前中に羽田空港に到着するチャーター便ですが、既に報道陣が鵜の目鷹の目でその様子を撮ろうと空港に集まって居るみたい。到着すると、サテライトスポットにゲートインして、そこからバスで移動し入国審査などを通過するなど、隔離された状態で帰国すると思うんですが、すでに発熱や咳をしている人もいるみたいで、場合寄っては直ぐに病院へ隔離されるんでしょう。今日以降、帰国者に対してのメディアの取材競争が過熱するんだろうなあ。そんなことをやっている暇があったら、拡散防止のために必要な情報をもっと周知させるべきだと思うんだけれど。

[P.S.] 武漢からの到着機は、国内線の第二ターミナル横の47番ゲート(407番スポット)のサテライトボーディングブリッジに8:40頃に到着。46/47/48と三つのゲートがあるこの場所の真ん中のゲートを利用するのは、回りからのカメラの視線を隠すためなんじゃないかと邪推。多分、今回のチャーター便運用が終わるまで、このサテライトボーディングブリッジは、チャーター便専用ターミナルとして使用するんだろうか。少なくとも、毎回消毒作業などで一定時間利用出来ないだろうから、専用使用するしか無い気がするしなぁ。

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