2019年4月3日

守秘義務 (2)

守秘義務」というのは、その秘密なり機密情報が公になるまで黙っている行為(事前の守秘義務)だけでなく、公開後であっても開示してはいけないこと(事後の守秘義務)もあるわけで、そう言う意味では今回の元号発表後一日足らずで田の元号候補は公開されるわ、元号の発案者と言われる人が特定されるわ、発表したから気持ちが緩んだとは言わないけれど、何か口が軽い人が関係者の中にいるんでしょうか。

勿論、「冷和」以外候補に関しても、どんな言葉が提案されたのか知りたい気持ちはあるし、知ってしまえばどの様にその言葉が選択されたのか、どう言う意味があるのか、興味も膨らみます。でも、それってある種の野次馬根性というか、本来知らなくても本質には影響ないことだし、言ってみれば手品を見て感心するところまでは良いけれど、だからといって種明かしまで要求しているようなこと。さらに今回は、これまでのような中国の古書からでは無く、日本の酷暑である万葉集から採択されたと言う事で、中国vs日本の古書争いみたいな扱われ方もしていて、いゃそれってほんらいの糸とは別の話だろうと小一時間。近代なら別だけれど、1000年以上も前の日本であれば中国の影響が強かったことは誰もが知っているわけだし、大体当時の知識は「漢文」だったわけですから、それが日本人が書いた書籍であっても漢文由来となることは当然だろうし。

別に流行語大賞を決めようという話では無いのだから、舞台裏を全てさらけ出す必要は無いわけで、そう言う枝葉末節に拘るのであれば、「令和」に本来の意味を深掘りする方が本筋じゃ無いだろうか。こんなことを平気で言ってしまう人がいること自体が問題だと思う。そんなこと言ったら「破壊・破滅の『破』を名乗る政治家がいることに恐怖を覚える。丁寧な説明が必要だ」と言われたら、彼はちゃんと説明してくれるんだろうか。仮にそう言うことを言いたいのであれば、もっと言い方を考えるべきで、「未来へ繋がる良い元号だと思う。ただし、文字だけ見て否定的な意味を感じる人も負われるだろうから、さらに丁寧に新元号の意図を説明する努力を継続するべきだ」とか言えば、新元号を認めつつ、政権に対しての注文というか「一言言える人」みたいなポジションを示せるのに、言葉の使い方が不味いから全てをぶち壊している。

閑話休題。有識者懇談会のメンバーには、NHK会長、民放連会長、新聞協会会長と、メディア関係者も含まれていますが、仮にこれらの人から漏れていたとしたら、それはそれで情報管理と言う意味で大きな問題なのでは。ああいうときには、NDA(秘密保持契約)とか結ぶんだろうか。いずれにしても、それが正しくても不正確でも、「話題」として取り上げることを繰り返せば、自部達の仕事として飯の種になるメディアとしては、実は誰が決めた何が候補と言うよりは、よりセンセーショナルに取り上げることだけが目的なんでしょうね。それに軽薄なコメンテーターが乗っかることで、益々新元号が世俗化されて行く。生活の中に溶け込むという意味では、それはそれで望ましいのかもしれないけれど、なんか聞いていてこちらが恥ずかしくなるような勝手な自己解釈とか言いがかりみたいなコメントを聞かされるのは勘弁して欲しいなぁ。

0 件のコメント:

コメントを投稿