2019年2月15日

鳥内節

先日、今シーズン限りでの監督引退を発表した、関西学院大学アメリカンフットボール部鳥内秀晃監督。その時の様子を、ほぼ全文書き起こした記事。鳥内監督は、こういうメディアの記事や関学の試合中継でサイドラインを抜くくらいで拝見する程度しか知識は無いけれど、何か「浪速のおっちゃん」風の口調に、ちょっとホッコリする(笑)。

前回も書いたけれど、28年間同じチームを率いて、しかもそれなりの成績を残しているという事は並大抵の努力では出来ない話。大学スポーツなので、毎年1/4は選手やスタッフが入れ替わり、毎年ある意味新しいチーム作りから始めないといけないから、そう言う意味ではプロスポーツチームの様に主力選手が固定化して新陳代謝が滞ることは無いのだろうけど、それでも28年という年月は大きいですよね。インタビュー記事の中では、28年という年月もさることながら、任させられるコーチ人材が育ってきたことも挙げているけれど、やはり「組織」としての構造(scheme)が確立し、その中で活動できる人材がその時点だけで無く、継続して供給できる体制が出来、そこに、大学スポーツですから、大学側の支援や援助も確立されるところまで進めないと、なかなか現在の体制を変えることは難しいでしょうね。関学程のチームでもそうなんだから、他のチームはなかなか厳しいかも。でも、関東でも法政大とか東京大が改革を進めているし、少し前に話題になった京都大の法人化等、多かれ少なかれどのチームも模索はしているんですよね。ただ、その引き金がなかなか見つからないし、分かっていても引くことが出来ないのが問題。

例えば、創部直後の黎明期等は、そのチームを立ち上げる有志ばかりだから、それなりにチーム作りも進むだろうし、多少の無理も利くでしょう。でも、位置と立ち上がったものを、今度はメンバーが替わりながらも継続するのは大変。どんなに有名選手が集まっても、有能なコーチやマネージャーが居ないと、単なる個人の集合体で終わって、試合どころか練習すらままならなくなるもの。チームによって、「監督」と言ってもその立場や職域に違いはあるとは思うんですが、やはり精神的なものや実利的なもの全てに目配りできる人でないと難しいでしょうね。その上で、コーチとかマネージャーとか選手に、権限委譲して出来る事はやらせるとかして、次の世代に繋げることも考えないといけないし。全ての業種がそうとは言わないけれど、今の会社組織の中での開発チーム何かは、まさにそれに近いものがあると思います。だから、折角上手く言っていたチームが、上司が人事異動で入れ替わるとダメになったり、逆に上手く新陳代謝していないと、ある一つ全製品開発が行き詰まったり、そんなことは何度も経験したなぁ(笑)。鳥内氏の監督引退後の仕事は未定だそうですが、冗談で言っていたように、是非色々なメディアで関学も含めた大学スポーツ、あるいは社会人も含めた日本のフットボールに関して、甘辛交えた意見や批評を、是非続けていて欲しいですよね。それはそのままフットボールの露出度拡大にも繋がるわけだし。

ところで、こちらの記事の質問の中の「指導する中で一番楽しい瞬間ってどういうときですか。」に対しての回答の中で、鳥内監督は「え、もともと社会人に勝つ言うてんのに、そんなバカ騒ぎすることなん?」と答えている。少し前にRice Bowlでは、社会人チームとの体力・実力の乖離を訴えて、Rice Bowl廃止、システム変更議論まで出てきたんですが、このQ&Aを読むと監督自身は決して今のRice Bowl否定論者ではなく、逆にもっと強い相手とやりたいと思っているんじゃ無いだろうかと感じてしまう。もしかしたら、「力の差がありすぎる」という事で、次の新3回生以下の選手に発破を掛けたのかもしれない。そんなちょっとした発見(?)も感じられる、面白いインタビュー記事でした。

0 件のコメント:

コメントを投稿