2018年12月20日

無意味な請願

タレントのローラが、ホワイトハウスへの辺野古の滑走路新設工事反対署名へ呼びかけて話題になっている。実は、其れ以前にも、沖縄出身のタレントさんとかミュージシャン等も同様の呼びかけをしていたのだけれど、今回ほど話題にはなっていなかったように感じます。さらに言えば、先日の漫才系番組で、昨年同様にウーマンズラッシュアワーが政治ネタを演じたけれど、これも二回目という事も有るのか、あるいはその内容からなのか、前回ほどの話題にはなっていないし、早々にトレンドからも消えた様子。

テレビの情報番組などでは、特に今回のローラの行動を、アメリカのセレブとかタレントの政治活動に擬えて報道するケースが多いようだけれど、それは一寸違うような気がする。今回の請願内容は「国民投票が沖縄で開催されるまで、辺野古/大浦湾の埋め立てを止める」という趣旨なんだけれど、アメリカが日本国内の国民投票に関してあれこれいう権利は無いし、埋め立て一時差し止めっていうのは本来の趣旨である「最低でも県外」にも当たらない。本島にホワイトハウスに請願するのであれば「沖縄から米軍基地撤退」とか、少なくとも「普天間廃止、辺野古廃止」くらいは目標にしないと、何のための請願か分からない。その意図も趣旨も全くこの請願システムにそぐわないものなわけで、結局は「アメリカ様にもの申した」という、空虚な実績作りだけなんでしょうね。

実際、以下略ちゃんが書いているように、日本共産党もこの署名を後押ししている。日ごろ、米国追従怪しからんとか、アメリカの言いなりになるなとか、散々の言いようなのに自分達の都合が良いことはコロッと忘れてこう言う事をする。良くも悪くも、自分達の「信念(?)」を曲げないその態度は、他の野党とはひと味違うわけで、その点は野党として評価しても良いのだけれど、結局は他のその他野党同様、自分達のパフォーマンスを見せることが目的になり、本来の党是というのか共産主義国家建設みたいな使命感、目的完遂という姿勢が全く感じられない。本島ならば、「こういう行為は現実的では無い、日本政府に正々堂々主張しよう」とか諫めるなら「おぉ、流石共産党」と感じるけれど、今日はアメリカを批判し、明日はアメリカに依存してとか、まぁ「コウモリ政党」と言われても仕方ないよなぁ...

もう埋め立ては殆ど終わったみたいですが、「沖縄の海が」とか「沖縄の自然が」というのであれば、那覇空港の第二滑走路の方がもっと影響は大きいわけで、そちらも批判するべきなのに殆ど聞かない。それ以外にも、海岸線を埋め立てている場所は何カ所もあるわけで、「埋め立て」が問題ならそれは辺野古だけの問題では無いはず。さらに言えば「新基地建設反対」と言うけれど、今回は現存する米軍施設の拡張だし、それも内陸部に新規に拡張するのではなく、海側に広げるわけだから、既存の住居などへの影響も無い。さらに、離発着の騒音などの影響も考慮しての、V字滑走路なわけで、これで普天間の安全と膨大な土地が戻ってくるのであれば、決して悪い話しでは無いはず。「沖縄の負担を増やすな」という意見もよく分かるけれど、相対的に辺野古移設が達成されれば、これまでの普天間の負担が減るからかなり大きな前進だと思うんですけどね。そう言う相対的な判断をせずに、たんに辺野古の滑走路・埋め立てという極論だけ主張するから、話は噛み合わないし前進も無い。

今回違和感を感じるのは、例えばこれまでもそう言う行為をして居たタレントさんが発言するならまだ分かるけれど、そう言うこととは無関係と思われていた人が突然言い出したこと。誰か、シナリオを書いている人がいるのではと言う話も流れているけれど、唐突感は正直大きいですよね。別にタレントや芸能人が政治を語るなとは言わないけれど、自分の立場の影響力の大きさを背景に何か発言するなら、やはり底にはちゃんと責任を持たないといけないと思うし、そう言う意味では何故そう言う行動を取るのか、説明もするべきでは。言い方は悪いけれど「請願システム」という言いオモチャを見つけて、それを喜んで弄っている集団に言いように利用されているようにしか見えないなぁ。それって、利用している側の大罪だと思う。

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