トランプアメリカ大統領の長女で、大統領補佐官も務める、イバンカトランプ氏が来日。国際女性会議WAW!に出席し、そこで女性起業家支援イニシアティブへの日本政府が5000万ドル(約57億円)の拠出を安倍総理が表明したところ、メディアが「イバンカ基金へ日本政府が57億円供出」と報道。これを「イバンカ氏個人が設立する基金へ、日本政府=安倍総理が日本の税金から57億円を出す」というニュアンスの記事が拡散されて一騒動に。実際には、イバンカ氏のアイデアから生まれたものではあるけれど、世界銀行の事業として進められるもので、イバンカ氏は運営や資金調達に関わってはいないもの。また57億円の拠出金も、すでに7月の時点で表明されていたもので、今回の訪日に合わせて発表されたものでも無いことなど詳細が分かってきます。
最初に共同通信が配信したニュースが、意図的なのか字数などの関係で圧縮してそうなったのかは不明だけれど、本来の意味や意図と異なる情報を伝えたということでは責任はあるでしょうね。実際、某方面の方々中心に「日本人の血税を友達に寄付するのは怪しからん」みたいな話が絶賛拡大中だけれど、別に個人的関係で拠出を決めたわけでも無いし、拠出するのは外貨準備金だから税金では無い(日本の企業が海外で獲得したお金ではあるけれど)し、そういう意味ではそのままでは塩漬けするだけの日本保有のドルを有効的に利用出来るいいアイデアと言えるはずなのに。
今回のイバンカ氏の来日は、この後のトランプ氏の来日の地ならしと言う意味もあったと思うけれど、当然自分が発案したこのWAW!を成功させたいという気持ちから、こういう機会を利用するという思惑もあったことは事実。また、安倍政権としては、女性の働き方改革へのアピールにもなるわけで、そこに全く思惑が無かったとは言わないけれど、この基金の対象は発展途上国で働く女性であるから、国内向けアピールと言う意味合いはかなり薄い。結局は、イバンカ氏への間接的な利益供与と言う事を思わせたいのかもしれないけれど、ちゃんとその成立過程を見てみれば彼女はアイデアを出しただけくらいの関与なわけで、後は知名度を使って広告塔としてこの活動をアピールしようとしているのであれば、それはそれで望ましいことなのでは。
批判する側にしても、延髄反射的な「イバンカ基金に税金が」という短絡的な発想では無く、その内容をちゃんと確認した上で、例えば国内での女性に対しての援助で足りない部分を指摘するとか、もっと上手く言い方を考えれば逆に賛同を得られる発言になると思うのに、結局は反対しか言わないから振り向いても貰えない。スピーチの中でイバンカ氏が、外で仕事をしている女性だけが「働く女性」ではなく、家の中で(家事などの)仕事をしている女性も働く女性、という事を話したそうですが、そう言う発想って凄く目から鱗。そう言うことを、アッチ系の人達から仮に出てきたら、彼らの言うところの「一強独裁」は起こらないし、より望ましい社会が生まれると思うけれど、多分彼らが望んでいることはそんなことでは無く、常に相手を非難出来る状態、争いを作る事が彼らの存在意義なんでしょうね。
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