民進党最大の支援団体である連合が、民進党や共産党が「残業ゼロ法案」と名付けて反対している「高度プロフェッショナル制度」を盛り込んだ労働基準法改正案の修正について政府と合意したというニュース。最大の支持母体から、反対している政策について相談も無く合意されては、もう民進党としては立場が無い。まぁ、それもこれも政党としての役割を果たしておらず、だからいつまで経っても支持率も上がらず実績も残せず、支援団体としてもいい加減見限ったと言う事なんでしょうね。
この「高度プロフェッショナル制度」、これまで所謂「裁量労働制」と何が違うのかよく分からなかったんですが、どちらも基本的には残業代は計算され無いものの、裁量労働制では「休日・深夜割増賃金」と言う形で一部残業の時間管理が適用される一方、高度プロフェッショナル制度ではそれらも含めて時間管理をしないという事で、だから「残業ゼロ法案」という名称が生まれてきたんですね。で、連合としては、心身に一番負担が掛かるであろう休日・深夜労働に対しての歯止めが無くなることが反対要因だったけれど、代わりに業務終了から次の開始までのインターバル休憩の確保や労働上限時間の設定に年間休日の確保など、過剰労働に対しての歯止め措置を追加する事で合意に向けて進んでいるという話らしい。
全ての職種がそうなるとは言えないけれど、仕事の内容によっては「量=時間」よりも「質=成果」で評価された方が、企業にとっても労働者にとってもメリットがある仕事も多くあります。実際、自分ももう10年以上も裁量労働制で仕事をしていて、まぁ首にもならずに仕事が出来ていて、それなりの給料(年俸制)も貰えているから、それ自体が問題のある制度だとは思わない。実際、会社だけで無く業界全体だったり、日本の経済自体がどんどん厳しい状況になり世界との競争状態になってきている現在では、効率化とか生産性というのは急務の課題。その中で、量よりも質を求めるのは当然のことだろうし、今後人口が減少していく日本にとっても必要な措置でしょう。さらに言えば、量で評価される仕事のうち、例えば単純作業的なものとか、時間での作業が必要な職種は、多分どんどんロボットとかに置き換わっていくはずなんですよね。だから、量で評価できるような仕事から質で評価される仕事に人は変わっていく必要もある。これって、火なり大変なことだと思うけれど、結果的にそれがより豊かな仕事に繋がるだろうし社会生活にも繋がるはずなんですよね。
とは言っても理想通りに進まないのも現実社会。休日取得や労働時間の上限設定などで歯止めを掛けるけれど、これも勘ぐった言い方をすれば健康診断だけ導入して後は好き放題なんていうブラック企業が生まれるかもしれないし、ある程度量での仕事が必要なのに、無理矢理質の労働を言われて、結果を出せずに評価が下げられて給与が下がり、という負のループだって生まれるかも。でも、今の量の仕事に問題があるから「過労死」とか「サービス残業」という弊害が長く言われているわけで、そういう環境を変える一つの切っ掛けになれば良いんですけどね。いずれにしても、本来なら民進党が支持母体の意見を集約して、ちゃんとそれを実現する仕事をしなきゃいけないのに、結局それが出来ないから愛想を尽かされたのがこの結果。自民党だって、例えばTPPのように反対された法案でも、苦労しながらも落としどころを探して結果を出しているわけで、そういう意味では「格の違い」みたいなものを改めて感じる話です。
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