2014年11月19日

解散することになったけれど

昨晩安倍総理から正式に発表された、10%消費税の一年半の先送りと、それに伴う信任投票としての解散総選挙。その大義は何なんだという疑問はあるけれど、一応総理としても与党で過半数を確保できなければ退陣するという事を表明したことは、まぁそれなりに責任を担保していると言えるのでは。それでも、解散総選挙の目的は、増税の是非というよりは、政治資金問題でケチを付けた内閣の一新、国民の信任というよりは、選挙でリセットして帳消しにすることの方が目的の気がする。

突然の解散総選挙に、当然まだ準備も満足で無い野党(与党もか)は批判をするわけですが、その矛先は「大義が無い」という点のみで、じゃぁぞうぜいに関しては賛成なのか反対なのか、何か対案があるのか無いのか、批判する方も納得できる内容が無い状態。今回思ったのは、消費税の増勢は財政のために必要だとは思うけれど、それを機械的に一年半後とするのはどうかということ。今回の延期だって、二年前に、8%はいつ、10%はいつ、と最初決めていて、流石にそれは拙いだろうという事で景気条項が入っていました。本当なら、それを理由に単に政府が先延ばししても言いはずなんですよね。例えばGDPが3四半期連続でプラスだったらとか、昇給率が物価の上昇率を上回ったらとか、期限では無く実状で判断する条件にするべきとは思うけれど、そうなるといつまでたっても増税できないかもしれないと、税金を取る方は安心出来ないから反対なんだろうな。

色々理由はあるんでしょうけど、やはり今の状態での増税(来年10月)は、ちょっとタイミング的には拙いかなと思います。ただ、結局はいつか増税をしないと行けないわけで、それで間に合えば良いのだけれど、問題なのはそのお金を使う対象の効率化、整理、健全化の話がでないこと。具体的には、年金や生保という一番敏感な部分になるのだろうから、なかなか言い出しにくいのは分かるけれど、無尽蔵に税金を増やしてそう言う財政を拡大できるわけでも無く、いつかではあるけれど凄く近い将来には必ず改革しないと行けない分野の話を、今回はそろそろ出さないと駄目なんじゃないだろうか。

ところで、大義なき選挙に700億円もの選挙費用を使うのは無駄だという話があります。確かにやらなくても良いような選挙をすることは無駄だと思うけれど、この年末にそれだけのお金が何らかの形で市中に回ると思えば、それはそれで助かる人も多いのでは。印刷業なんかは、年末の年賀葉書需要も多くて悲鳴を上げるかもしれないけれど、選挙事務所関連のレンタルとか、選挙カーとか、年の瀬に予定外のビジネスに恵まれる人も多いんじゃ無いだろうか。そう言うことも考えないと、単に無駄と言っているだけでは何も生まれないと思うし。

選挙では、与党自民党が議席を落とすのは確実で、問題はその落とす数が、どの程度かと言うこと。でも、準備不足のまま選挙に突入する野党にとっても厳しい状況は変わらないわけで、結構現状と変わらない状況に落ち着くような気もします。いずれにしても、これから暫くは、また世間が騒がしくなりますね。

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