2026年1月16日

道具の進化

佐々木俊尚氏の引用から、道具の進化が人間の能力を劣化させるのでは無く、ステップアップする切っ掛けと考えるべきと言う話。昔の生化学の研究者は顕微鏡操作が研究の可否を決める大きな要素(スキル)だったのが、今は簡単に大画面に映像を映し出し、それをコピーすることもできるため、研究者は本来の「その現象の解析作業」に集中出来るから、より高度な研究が可能になるという話。

私はスポーツ写真(アメフト)を撮影するので、似たような話は凄く実感できます。 自分が写真を撮影しだした時には、デジカメは既に市場に出ていたけれど性能はまだまだマニュアル式の一眼レフには敵わない時代。特に素人故オートフォーカスは必須でしたが、当時はまだ対象の追随機能や合焦スピードも遅くて、場合によってはマニュアルでフォーカスリングを回して合掌させた方が意図した写真になる場合も。それが、自分が使用するような所謂「ハイアマチュア」クラスのカメラでも、十分に満足出来る程度のオートフォーカス機能が利用出来るようになり、カメラマンとしてはどの様な構図でいつシャッターを押すのかという行為に集中出来るようになり、写真の歩留まりもかなりアップしました。

それでもまだまだ不満も多くて、例えばカメラに生成AIを組み込んで、自チームのユニフォームを最初に記憶すると、被写体の手前に相手チームの選手や審判が来ても、登録されているユニフォーム選手からフォーカスを外さないような機能なんて実用化してほしいところ。あるいは、雲が多い天候の時に撮影すると、太陽が雲に隠れたり出てきたりのタイミングで、露光がかなり変化します。プロの人は自然とそういう時には調整するんですが、そういう機能も生成AIで自動化して欲しい。後は、編集ソフトの進化が凄くて、不要な対象物の削除とか隠れている部分を補填してそこに有るような形に修正するとか、さらにはピンポケの映像も前後の写真を参照しつつそれなりの品質の写真に修正してくれるとか、個人的には本来「生」の映像を記録するべき写真が、どんどん「加工済み」の「作品」へとなっていくのはちょっと悩ましい気持ち。

課題は、そう言う先進的なシステムやツールを利用したくても、先進的故にハードウェアにしてもソフトウェアにしても、当初は高価なものということ。大学の研究室とか大手の企業等だと比較的自由に導入出来るだろうけど、予算のない大学の研究室とか中小企業等はそういう部分が壁になり、どうしても職人技にまだまだ頼らざるを得ないことも多いでしょうね。スーパーコンピューターなんかは、共同利用が普通だと思いますが、そういう形で色々な道具類を共有しつつシェアユースみたいな事が出来ると、助かる企業や研究所も多いと思うけれど。高市内閣には、そういう形での高度研究設備ツールへのアクセスが誰でも自由に簡単にできるような仕組みを作ってくれたら、日本の物作りや基礎研究も復活しないだろうか。

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