2025年10月3日

アーカイブは難しい

 佐々木俊尚氏の引用から、様々な「情報」をどの様な形で残すかという話。引用元の記事では、紙の資料をこれまでは(多分)一枚一枚「ファイルブック」に入れて保管して居たけれど今が掛かりすぎる。それよりも(多分)箱形のボックスに間仕切りが入っている間に資料の紙を阻止混んでいく「ファイルボックス」形式がお勧めと説明しています。それに対して佐々木氏は、「それも面倒だから、スキャンしてデータ保存して紙は捨てる」という、さらに一段上の方法を提案。

多分どれが正解と言うことは無いと思うんですよね。スキャンして例えばPDF化したとしても、その資料・情報によっては「原本」が必要な場合があります。そんな時には、例えPDF化しても原本(紙)は残さないといけない。またスキャンするにしても、そのデータ保存方法をどうするかが一番悩みどころ。最初の問題はスキャンしたPDFの「名前の付け方」。どんな内容かファイル名だけで分かるようにしたいけれど、そうすると長々とした名前になりがち。またファイル化してしまうと、そのファイルはだいたいが作成した日付になるんですが、それってファイルに記載されている日付と一致しているとは限らない。これ、ソーティングするときに、ファイル名でも日付でも出来なくなるので結構問題だと思います。さらに、それら膨大な数のファイルを、どの様に分類して行くかも大きな課題。例えば税金関係とか保健関係とか仕事関係などは、以前から同じ様な資料が届くから有る程度前例を参考にして分類は出来ますが、それ以外の仕事関係とか趣味とか、様々予想できないような資料や情報をどの様に整理するかは、その後の管理と利用に影響します。

次に問題は、データの保存方法。原本を捨ててしまうと、そのPDFファイルしか無いので、例えば保存場所を複数にしてバックアップを取るとか、どこからでもアクセス出来るようにOneBoxに置くとか色々方法はあると思います。でも、オンラインだと有償契約しないと十分な保存容量が得られなかったりとか、ネットワーク接続が前提になるからネットに繋がらないとき困る。ローカルに保存する場合も、例えばPCのHDD/SSDに入れて置いた場合、何らかの操作ミスで削除してしまったり、PCを更新する時に膨大な量のデータ移動をしないといけないとか、中々困ります。かと言って、USB経由の外付けHDDとかNASみたいなものまで導入するとなると、当然リスクや手間(USB HDDを暗号化するとか)が必要になります。また複数箇所に保存すると、それらデータの同期をどう取るかも考えないと、信頼出来なくなってしまいます。バックアップでDVDやBlu-rayに書き出しておいたら、それって「紙」で保管するのと同じ様な問題が生まれるわけで、これもまた困りもの。さらには、災害等で停電の時にどうするかとか、やはり悩みはどんどん生まれてきます。

例えば高精細なデザインだとか、スキャンして情報欠落が発生するような微細な表現のもの等は、作業用としてPDF化してもやはり原本は残しておかないと後々の作業に支障がうまれるでしょう。またPDF化して使いやすくはなるだろうけど、そこから二次三次のデータを作成した場合、それがどの様な形で参照されているのかあるいは利用しているのか明記しないと、似て非なるものがどんどん生まれてしまいます。結局は、物理的にスペースや管理に手間暇が必要な紙データ(物理資料)は出来るだけ効率化して必要最小限にして、頻繁に利用参照するようなデータはデジタル化して利便性を高める、みたいな棲み分けを工夫しないと駄目だというのが自分の経験からの今の所の結論。私も何度かやっていますが、デジタル化は便利なんだけれど、一瞬でデータが消えるリスクも大きくて、それに対しての対策(バックアップを多重化するとか)を十分にしていないと、結局後で泣きを見ることを何度も経験しています。で、その対策がまだオーバーヘッドになって、結局は余計な仕事が増えることにもなるんですよね。自分が今どの様な状態で情報管理するのが良いのか、その判断ができるスキルも必要ですし、これってかなりの情報リテラシーが要求される課題だしスキルだと思います。

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