AIとの共存、AIの進化は、実際の社会改革になるまで時間は掛かるけれど、頭の体操としては面白いテーマだと思っています。そんな体操の一つに「音声によるAIとの対話」というのは、結構有益ででも中々ハードルもまだ高そうな項目の一つ。30年以上前から「音声合成」とか「音声認識」のアプリとか技術に仕事の関係でちょっと関わったこともあるので、多少は基本的な事は理解していますが、当時正直使い物にならないと言われるくらいの品質。でも、最近の技術は、多分無意識な時に遭遇すると、本物の人間が話したり聞いたりしていると思うくらい高度になっています。
私も何度も書いているように、自然な会話によるAIというかデジタル環境へのアクセスというのが、ある意味究極のI/Fだと思っていますが、一つ問題なのが「会話漏洩問題」。そう書くと大げさですが、話している内容は周りに人が居れば当然そういう人達の耳にも入るわけで、これって今でも電車の中とか人混みの中で通話している人がまさにその状態。歩いてすれ違うときなどは、耳に入る会話も一瞬なのでそんなに気にならないけれど、例えば電車の中など互いに位置が固定されていて、しかも閉鎖空間に居るから相手の声もよく通ります。新幹線に乗っていると、しかもS-Work車両に座っていると、時々座席でそのまま通話している人を見かけるけれど、「それ、回りに聞こえて良いの」みたいな話が耳に入ってくることも。せめて小声で会話すればもう少しマシだと思うけれど、中にはそう言う事を気にしないのか気付いていないのか、頓着無い人は結構見かけます。
「会話型I/F」が実用化されると、多分今のスマホの通話以上に回りで「ワイワイ、ガヤガヤ」しだすわけで、もしかしたら新しい「都市公害」が生まれてしまうかもしれない。例えば経路探索を音声I/Fで実行していたら、後ろで聞き耳を立てていた怪しい人物がその後を付けてくるかもしれない。スケジュール確認とかしていたら、ライバル会社にその予定を先回りされて先に契約を取られてしまうかもしれない。これまで「文字I/F」で、のぞき見などされない限りはその個人だけの範囲で収まっていた「入力情報」が、回りにダダ漏れになることは大きな問題ですよねぇ。それに、未だに慣れないのが、スマホ通話をイヤホンなどのマイクを使用している場合で、あれって突然その様子が目に入ると、何か一瞬「危ない人?!」と感じるんですよね。それが町中に溢れてくるわけです、会話型I/Fが一般的になると。
何年か前に、受験時のカンニング方法で、スマホを見ずにフリック入力をして問題文を露呈されて回答を得るようなケースがあったと思いますが、最近の人ならキーボードで言う所の「タッチタイプ」が出来るから、別に会話型I/Fなんて必要性を感じないかもしれませんね。ただ、キーボードならタッチタイプ出来るけれど、フリック入力は未だにおぼつかない自分には、外では我慢するとしても、自宅などプライベートな場所や時間では、よりリラックスして自由に入力操作できる「会話型I/F」の登場に期待しているところ。まぁ、SFの話ではなるけれど、脳波をモニターして「無言の会話」が出来るようになれば、この問題も解決されるわけだけれど、いつ実用化されるのかかなり道のりは遠そう。一つ可能性があるかなと思うのは、喉とかにセンサーを付けて、その時の筋肉の動きや僅かな発音を拾って「会話」を認識出来るようなI/F。例えばデバイスの形を首掛けタイプみたいなデザインにすれば、インターフェースやセンサー設置もワンアクションで済むだろうし。更に進めれば、声帯を無くして発音できない人の代わりに、そこで拾った「言葉」をスピーカーから流すような仕組みも出来るだろうし。そう考えると、今の技術でも結構何とかなるかもしれない。
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