2025年9月19日

最低賃金

個人的に非常に興味深く楽しみに視聴している、ReHacQの赤沢大臣シリーズ。 今回は赤沢大臣の三本柱、関税、防災、賃金の、「最低賃金」に関しての話題。三本柱の中では、一番切実で身近な話題なのだけれど、これまでの「赤沢シリーズ」と比べると個人的にちょっと消化不良というか、それだけ難しい問題なんだなと今の所理解しています。

赤沢氏の主張を自分なりにまとめて見ると、

  • 現在最低賃金は全国的に1,000円を超えたが、フルタイム(年間2,000時間)で仕事をしても年収は200万円前後で、この金額では生活出来ない
  • その年収層は、全国で650万人余りで、最大は東京都の145万人余り
  • EUの規準だと、日本の最低賃金は1,500円を超えないといけない。現在は最高値の東京で1,200円余りで、東京都と神奈川県だけが1,200円を超えている
  • 最低賃金を上げると地方経済が疲弊すると言われてきたが、徳島県は最低賃金を上げたがそんなことは無かった
  • 地方で賃金アップすることで優秀な人材が地方へと移動している
  • 政府が直接賃金アップに介入は出来ないが、賃金アップした中小企業等に対して効率化のための補助・支援をするような形で後押しする
  • 税金を下げろと言われるが、税金は社会基盤を支えるものなので簡単には減らせない
    ※ここは個人的にちょっと???という印象あり(後述)
  • 物価上昇率を上まわる賃上げをすることで、実質賃金のプラス化を目指す
と言う所かなぁ。全体で2時間余りの長尺なので、一度に視聴出来ず見逃したところ、忘れてしまった部分もあるかと思いますが、これまでのコンテンツ同様に赤沢氏の熱意は凄くよく伝わってきたと思うし、その内容に賛否は有ると思うけれど、ノーカットでこれだけの話をして貰えることは貴重だと思います。

最低賃金を上げることで、地方でも人材確保が可能になり、それによって企業の効率化が進んで経済も上向く、というのは一つの事例だと思うけれど、赤沢氏が言っていた「10人の人材の会社が効率化と賃金アップして3人で回せるようにすれば、給料を倍にしても、4人分の人件費が浮く。さらに退職した7人は、同業の他社で現在より高い給与で雇用される」というのは、ちょっと理想論過ぎるかなぁ。

  • 業務の効率化は、イコール機械化(DX化)に繋がると思うんですが、その環境を使いこなせる人材が元々の人材から生まれれば良いけれど、10人は退職して新規に3人雇用するみたいな形にならないだろうか
  • その場合、外に出てくるリソースも増えるので、どの程度賃金アップして新規雇用機会が生まれるかも難しいと思う
  • 赤沢氏の話は、全国平均的な丸めた話のようにも聞こえ、多分47都道府県それぞれ色々な事情があるだろうし、その都道府県の中でも色々な違いがあるだろうから、そこはもう少し丁寧な支援というか考え方が必要だと思う
  • 減税に関しては、何故か自衛隊とか警察とか消防の話が出てきたけれど、多分ここで取り上げるべきものは一番大きな割合を占める「社会保障」関係だと思うけどなぁ
  • 地方での賃金アップと企業効率化の話は、ちょっとさらっと流されていた印象があるんですが、これって中小企業のM&Aというか「スクラップ&ビルド」前提の話で、それが地方では中々難しい所もある話題だと思います。効率化のために、集約化、大規模化、共通化というのは必須条件だと思うけれど、その為には非効率な業務の切り離しとか、会社を集約する話も重要で、ちょっと間違えると大手による中小淘汰みたいな話にもなりかねないのでは。農業がまさにその先鞭を付けていると思うんですが、ネットワークを利用した仮想的な業務集約みたいな事を、国(=デジタル庁)として進めても良いのかも
また見返してみると違った感想も出てくると思いますが、この話題に関しても赤沢氏の熱く強い熱意を感じるものの、これまでの関税、防災と比べるとちょっと歯切れが悪かったような印象も受けます。だから駄目というのでは無く、こういう話を叩き台にして次のステップに進むことが重要なんですからね。

そう言えば、昨日イオンモールへ買い物に行ったとき、閉店した店舗スペースに10月からサーティーワンが開店するお知らせが出ていました。で、ビックリしたのは、アルバイト募集も掲載されていたんですが、その時給が「1,150円~1,250円」となっていた事。調べてみたら静岡県の最低賃金は「1,034円(2025年10月1日発行)」で、飲食系だと「1,065円」というのが平均値らしい。それと比較しても、今回の募集は100円位高いわけで、赤沢氏の主張がちょっと裏付けられた気がしました。

ReHacQのコンテンツは、松竹梅いろいろあるんですが、この赤沢氏のコンテンツはシリーズ化して続けて欲しいなぁ(笑)。

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