2025年7月10日

マラカスバットにしようぜ! (笑)

元毎日新聞記者でもある、佐々木俊尚氏も取り上げている、毎日新聞の記事。 毎日新聞が「魚雷バット」なる言葉が適切か取り上げているわけでは無く、その事を言い出した「新聞用語懇談会関東地区幹事会」での話を取り上げる形で掲載しているのだけれど、これって自分達のアリバイ作りにしか見えない。

言葉や文字という「武器」を使って、世の中の情報を伝達している新聞社というのは、場合によ伝はその武器で、特定・不特定の少数・多数の人達を「誤爆」したりして「攻撃」してしまう場合もあるから、武器使用に関しては厳粛にかつ抑制的にかつ公明正大で無ければならない。過去にも、誤報や虚報により読者や周りの人が誤解したままその当事者に対して言われ無き誹謗中傷をするような「絨毯爆撃」的状況を作ったこともあるわけで、そんな彼らが言葉に対して慎重になることは理解出来ます。でも、一方でだからと言って一つの言葉に一つの意味しか持たせないような硬直化した"言語世界"を良しとしては、より不自由な社会を自ら構築するようなもの。より自由度を高めて、可能性が大きい社会を、わざわざ制限で雁字ラメにしていくのは、それこそ戦時中に「大本営発表」で一般市民国民の思考を管理したようなもの。

今回の「魚雷バット」にしても、魚雷という武器の破壊力とその形状から、そのバットがヒットやホームランを量産できる機能を模して伝えているわけで、単純にその機能や形状をそのまま羅列して説明するよりも、エッセンスを更に凝縮して一言で相手に伝えられるようなある意味深い言葉だと思うんですよね。例えば形状だけ類似したものに例えるならば「マラカスバット」でも良いわけです。私なんか、最初にこのバットを見た時には、実際「細長いマラカスみたいだな」と思いましたからね。ただ、それだと形状は伝わっても、その増強された威力が伝わらない。別の例えだと、日本のH2ロケットも先端部分が少し膨らんでいるので、「H2ロケットバット」という言い方も良いかもしれない。でも、これだとロケットの推進力=バットの破壊力はイメージ出来ても、「H2ロケットの形状」なんてそんなにみんな知っているわけでは無いし、大体の場合「ロケット」と聞くと、先端部分が鉛筆の様に尖っているデザインを思い浮かべるんじゃ無いだろうか。まぁ、厳密に言えば、魚雷だって頭部が膨らんでいるものばかりでは無いわけで、そう言う意味では「魚雷バット」という言い方も適切では無いかもしれない。

ところで、この「魚雷バット」だけれど、元々はアメリカ生まれのバットなわけで、そこで「Torpedo Bat」と名付けられたから、日本では直訳して「魚雷バット」という言い方がされているわけです。もし「魚雷」という例えば不適切と思うのならば、メディアは明治時代初期に外来語に日本語訳を発明して翻訳したように、適切と思う言葉を当てはめれば良いだけの話し。昔テニスが結構ブームだったときに、ラケットのスイートスポットを大きくするために、ラケット自体を大きくした「デカラケ(デカいラケット)」が大ブームになったけれど、あれに擬えて「デカバット」でも良かったわけです。一昔前だと「デブバット」とか「太っちょバット」みたいな言い方も出てきたかもしれないけれど、現在だとコンプライアンス的にNGかな。結局日本語で元のニュアンスを無くさずに適切に言い換える言葉が無い以上、言語を翻訳して使用するのが一番適切と言えるのでは。そこに「戦争用語」の「魚雷」が含まれていたからと目くじら立てて言うのであれば、ちゃんとした代替用語を提案して言うべきだと思う。それが言論とかメディアとか言う社会で仕事をしている人達の、ある意味義務だと思う。

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