備蓄米が色々な流通チャネルから市場に投入されるようになり、最も消費者に近い存在と言えるコンビニでも1kg、 2kg、という小容量での販売がスタート。ファミマとローソンがすでに一部店舗での扱いを始める一方、7/11のスタートがやや出遅れているよう感じるのは、最近のコンビニ業界の勢いを反映しているのだろうか。そんな中、精米の販売だけでなく、ローソンでは独自に調達した2023年米や2022年米を使用したお握りを製造し、これを「ヴィンテージ米」として販売すると言う、「古米のブランド化」まで始める始末。これって、ちょっと悪乗り観も感じるんだけれど。
「独自に調達した古古米、古古古米を使用」と書かれているけれど、それって誰がどこでどの様な状態で保存していた物なんだろうか。調達量に限りがあるから関東圏のみでの販売となっていますが、それだってそこそこの分量が無いと商品化までして販売しようとは思わないと思うけれど。もう2025年産の米の作付けも始まったので、2024年秋に収穫された今ある一番新しいお米も「古米」と言われるので、2年前だと「古古米」、3年前だと「古古古米」といかにも古いお米のような呼称になるんですが、普通に玄米で適切に保存していたら2年前程度なら殆ど新米と変わらないでしょうね。ただし、お米の水分が少しずつ失われていくから、炊飯するときに少し水を増やすとか、お酒とかを人振り入れて臭い消しなどにするちょっとした工夫があるとパーフェクトですが。お鮨屋さんなどでは、新米のように水分が多いお米だと柔らかくなりすぎて握りづらいので、わざと古米や古古米を混ぜて炊いてお米の水分量を調節すると言う話も聞いたことがありま。「握り」にするのだから、ほかほかのご飯ではなくある程度堅さのあるしっかりした「粒」でないと、握れないですからね。
要するに、いつ生産されたかではなく、その目的に応じて適切な状態の物を選ぶことで、より付加価値が増すことは、それが古米や古古米、古古古米だからという事では無く、その時のお米の味や匂いに水分量の方が重要だから、そういう付加価値を優先するという事。となると、古いお米だから安く売るというのも変な話なわけですよね。更にちょっと胡散臭さを感じる歯の、その古古米や古古古米の消費行動に対して「サステナブル」とかいう、更なる付加価値みたいな物を付ける事で、何かブランド化をして新しいブームなり人気商品を開発している気がする。いゃ、コンビニだってその他スーパーにしても、自分達の商売のために工夫をして商品開発をしているのだから、それは企業努力だと思うけれど「ヴィンテージ米」というのはちょっと違うだろうという気持ちも強く感じますよね。
今回の米騒動は、一つ二つの理由から価格高騰が生まれたわけでは無くて、色々な要因が絡み合って、運悪くこういう傾向になってしまったというのが自分なりの印象。米農家の厳しい現状が認知されて、「商品」として利益の出る健全な形にお米がなるかもしれないのは良いことだと思うけれど、コンビニにまでお米販売が広がると、例えば安い価格のお米ニーズがあるとコンビニ考えたら、カリフォルニア米を安価で出すような新しいビジネスモデルを今回を機会に定常化するかもしれない。それって、今の「お米自給率」とかの問題に対しての反撃みたいな形にもなるわけで、それはそれで新しい対立が生まれそうな気もします。ただ、それが成功するか失敗するか分からないけれど、そういう変化がなかったから硬直化していたことも事実だと思うから、良くも悪くも今回色々な刺激や圧力に新しい仕組みが乱立して、過去の固定観念が変わりつつあることは良いことじゃないだろうか。その結果、お米価格は以前の2000円台から3000円台に上がったけれど、農家の生産性が高まり安定供給が続けられるならば、それがベストではないけれどベターな結果だと思う。
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