2025年6月6日

JAはショッカーか?!

お米の価格高騰に関連して、JA (農業協同組合)に対しての批判も多いのだけれど、それに対して良い点・悪い点を冷静に説明している記事だと思う。 自分も、田んぼがあるし、建物共催なんかにも以前のしがらみから利用しているので、JAサンとは細いながらも縁があるので、まぁどういう組織かは一般的な人達よりも知っているつもりだけれど、メディアなどが煽るような組織じゃないことは確かだと思う。まぁ、ゴシップ系メディア(?)とはいえ、「小泉大臣の目的はJAの民営化だ」とか言う記事をぶち上げて、ネットでは失笑されているけれど、「協同組合」なんだから、純粋に民間組織であるし、利益追求も限定されている組織な訳で、何をとんちんかんなことを書いて炎上商法でPV稼いでいるんだろう、と小一時間。

大手のメディアなんかでも、この手の裏取りもしていない妄想で書いたような記事を見ることが珍しくなくなった現在、購読層が農業問題とはそんなに近いとは思えない馬体の記事だからこんな程度なんだろうと好意的(?)に考えることも出来るけれど。とはいっても、未だに記事を修正するでもなく削除するでもなく、公開したままというのは、よほど編集責任者の顔の皮が厚いのだろうと、そっちの方が興味深かったりして(笑)。それに比べてAbemaの記事の方は、客観的に書かれていて、いかにもネット時代のネットメディアらしいと言うか、レガシーメディアや適当な飛ばし記事を量産しているゴシップメディアは、爪の垢を大量に煎じて飲んで貰いたいくらい。

記事の中でちょっと意外だったのが、インタビューに答えている農家の方が、生産したお米の3割はJAで残りは直販しているという事。個人的には、比率としてはその逆か、最低でも半分半分かなと思っていたので、かなり意外な値でした。田んぼ2.5haでコシヒカリが200俵とれるので、150haだと12,000俵の収穫。一俵が60kgだから、重さで言えば720tの収穫かぁ。今年の新米のJAの買い取り価格が60kgあたり23,000円位だから、1kgあたり380円位。仮に400円/1kgと単純化すると、720tのお米は、2億8800万円位。この3割は8640万円の収益。残り7割の500t余りを直販で、例えば1kgあたり600円で販売したとしたら、それだけて3億円の売り上げかぁ。仮に全体の売上高を4億円とすると、10人の会社なので一人あたり4000万円の売り上げ。農業の場合、農機具が結構高かったりするし、燃料代や直販の場合は精米設備や保管倉庫などの経費もかかるからなんとも言えないけれど、それで半分かかったしても一人あたりの売り上げか2000万円。半分が人件費と考えても、なかなか健全なビジネスのような気がします。

同じ150haでも、数ha単位で区切られていればまだしも、もっと小さな単位で分散していると作業効率はもっと落ちますし、手間もかかります。1haは10,000m2ですから、100m×100mの田んぼが150箇所もある場所は、そうそう無いと思うなぁ。でも、この記事に登場する染谷茂さんという方をダメ元で調べてみたら、なんと千葉県柏市で農業をやっている方と分かってびっくり。私、学生時代松戸に住んでいて柏の先の大学に通っていましたから、あのあたりは土地勘がそれなり有るけれど、ちょっと納得するけれど、それでも柏手150haってすごいと思う。逆に言えば、都心に近い場所でもやり方とか工夫すれば、そうやって効率化してビジネスとしてちゃんと成立出来るということなんでしょうね。私は、農業は集約化して効率化をして大規模化するのが生き残る唯一の道だと思っているけれど、そうなると地方などの小規模水田や棚田みたいな山間部の水田がなくなってしまう。全部を残すのは厳しいと思うけれど、例えば小規模水田は家庭菜園・家庭水田みたいな形で、お米自体ではなく「お米を作ること」に付加価値を見いだして見たらどうだろうか。特に棚田などは、体験観光と絡めて景観を維持することを優先して、お米の生産自体は多少妥協するとかも必要かも。今はお米にフォーカスされているけれど、それ以外の農産物や農業経営全体に関しての建設的な議論に繋がればと強く感じますね。

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