2025年5月21日

病は気から、病は着から

ITmediaビジネスONLINEの窪田順生氏の記事から 、「怪しい」のに売れているリカバリーウェアの謎について(笑)。記事にも書かれているように、早朝とか深夜のテレビショッピング番組だけでなく、CMなんかでもガンガン流されていて、疑り深い私も思わず「試してみるか」と思わせてしまうくらいの迫力。実は少し前に姪っ子達が、「おじさんの健康維持のために、リカバリーウェアをプレゼントするから、良いものを選んでください」みたいな殊勝なことを言ってくれたんですが、「あれって、単に遠赤外線効果を利用して血行促進機能で、気持ち的に楽になる・良くなると思うだけだからいらないよ。その分美味しいものでも食べなさい。」と、素っ気ないけれど核心を突いた返事をしましたが、まぁそういうことです。

実は最初この手の製品のCMを見た時には、サポーターとかテーピングみたいなものが内部にあって、行ってみれば着るテービングセットみたいなものかなと思っていたんですね。ただ、パジャマだったりTシャツだったり、どう見てもそんな締め付けるような部分は無いみたいだし、大体テーピングは短時間動作する間だけその部分を補強することで運動機能を一時的に回復させるものだから、こういう疲労回復とは真逆な話。逆に、その部分には疲労蓄積するから(過負荷状態になるから)、しっかりとマッサージとかしてリカバリーしないといけないわけで、リカバリーウェアを着用したのにリカバリーが必要になるのは矛盾。そう言う事もあって、実は「胡散臭い商品だなぁ」と思いつつ、それでも「100万枚、200万枚も売れるんだ」とビックリ。

この手の商品の走りは、ユニクロのヒートテックだと思いますが、発汗作用の湿度から発熱する繊維がどんどん改良されていて、今では手放せない衣類(下着)の1つに。そこから逆に、今度は冷感機能を持った繊維が開発されて、暑い時期に清涼感を感じられる衣類も登場。こちらは「涼しい」と感じる記事の素材だけで無く、実際に通気性などを改良して発汗からの気化熱で実際に体感気温を下げるものまで、こちらも製品改良は毎年凄いなと感じます。それを考えると、例えば同じリカバリーパジャマでも、冬は暖かくなるもの、夏は涼しくなるものと、素材を変えて作らないといけないわけで、それはそれでビジネス継続のモデルとして美味しい気がする。

こういう商品や話に関しては、殆どの人が「怪しい」と先ず感じるのだけれど、窪田氏も書いているように世の中の事象にはどうしても「プラセボ効果」は生まれるから、極々一部かもしれないし、ある程度の反応があるのかもしれないけれど、実際そこで謳われている効果が実感できる人も存在している。そういう声を企業側も、少なくと事実ではあるから、伝える事でますます怪しいけれどだからこそ不思議な効果があるかも、みたいな都合の良い解釈がどんどん生まれて拡散されていくんだろうなぁ。こう言うことの積み重ねから、実は画期的な繊維だったり、素材の折り方とか複合素材の多機能衣類みたいなものも生まれるから、否定はしないけれど、企業側の謳い文句には踊らされないように注意しないと。でも、最近はネットの影響だと思うのですが、そういう疑念がどんどん膨らんで、逆に根拠の無い陰謀論とか攻撃対象みたいなものに化けていくこともあるのが問題。情報リテラシーが生活リテラシーにもなるのが現在社会なんですよね。

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