2025年4月8日

What you see what you like

佐々木俊尚氏のmondの話題から、Xも含めたネットの負の側面との付き合い方について。まさに佐々木氏が回答されているように、実社会同様ネットワーク上も玉石混交の世界なわけで、実は視点をちょっと変えるだけでかなり印象が異なるものの。ただ、実社会との違いは、実社会で自分の目に入るのは自分の目の前にあるもの=自分の目で見えるものだけですが、ネットでは好むと好まざるとに関わらず向こうからどんどん目の前に流れてくる。だから、自分が好まない情報もどんどん目に入ってくるのがネット社会の常識でもあるわけです。

私が「他社とのコミュニケーション」の世界に入ったのは、小学生の頃に取得したアマチュア無線(HAM)の時からで、この時は基本的には1対1の会話の世界。しかも会話の相手は、同じように免許を持っている相手なので、それなりの常識を持っている人が多かったはず。でも、中には違法無線機を利用したり、悪用したり、目的外通信をしたりという人も少なからずいたわけで、どうしても人が集まれば、良い部分・悪い部分は生まれるもの。その次に経験したのはBBSの世界で、こちらだと一定の技術力や知識が無いとBBSにアクセスする事が難しい時代でも、やはり色々な人が存在していわけです。その後会社に入り、社内専用のコミュニケーションツールがあり、BBSやインターネットのNewsGroupみたいな使い方をしていましたが、母集団が同じ会社の「社員同士」であっても、今のインターネットの縮図のような世界が生まれていました。

それなりに限定されていた世界でもそういう状況ですから、今のように参加する敷居が一気に下がり(事実上「無い」に等しい)、日本中世界中の人がリアルタイムに様々な発信をしている状況では実社会をさらに濃縮したような世界が広がっても不思議は無い。逆に、閾値が低くなる一方、「インターネット」というフィルターを通していることから、何か自分が匿名の存在になっているあるいは他者には「自分」が認識されない別の「誰か」として見えている(実際はそうではないけれど)という美しい誤解が、正の方向にも負の方向にも情報発信を拡大させていて、玉石混交の世界が魑魅魍魎の世界に化している気がする(笑)。「リアルの存在では無いバーチャルな自分」という誤解からか、日頃は隠れている・隠している「自分」までネットの世界では発揮されていき、それがある意味変な自己肯定みたいな改革を与えているような印象も受けます。

佐々木氏が最後にまとめているように、重要なネット・情報リテラシーは、まず火中の栗には拾う以前にそこに近づかない事が重要。これは実社会でも同じ。わざわざ好んでリスクある事に接近するのは、何か企んでいることの証拠と言っても良いのでは。そして、実社会以上に「燃えやすく冷めやすい」のがネットの世界で、今話題になっていたり炎上していても、次の瞬間に鎮火していることもあるでしょう。私もそうですが、昔からコミュニケーション世界は、アクティブユーザーはごく僅かで、それ以外の殆どの人はROM(Read Only Member)というのが常識。Xも、本当は互いにGive&Take出来るのが理想だけれど、それが逆に災いの元にもなる可能性もあるので注意が必要。常に覚めた目で見ることが必要というと、ちょっと切ない気もするけれど、別の言い方をすると「常に疑問を持つこと」がネットでは特に重要だと思う。そして、自分なりに基準となるユーザーや情報元を出来るだけ確保して、そこで疑問となる情報を精査して、共通項が多ければ信用するし、評価が分かれるようならば一旦忘れて見るのも重要。そこで難しいのが、自分の欲する情報だけを残すのでは無く、反論・批判として納得出来るものも積極的に評価していく考えが一番重要になるんですよね。そういうネットでのマナー=ネットリテラシー、と言うものを自分なりに成長させる意識を常に持てば、自然と本当に必要なものが視界に入ることも増えて行くと思います。 

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