2025年3月26日

茶所

少し前のニュースに、昨年のお茶(荒茶)の生産量で60年以上日本一だった静岡県が、鹿児島県に逆転されて2位に転落したというものがあり、流石に「茶所静岡」と言われる地域だけに、ローカルでは結構深刻なニュースとして、何度も取り上げられていました。 長い間「静岡県がトップ」と言われつつも、年々生産量が下がり続けていて、それに対して鹿児島県の生産量は比較的安定していたこともあり、昨年は静岡県が25,800トンの生産に対して、鹿児島県は27,000トン生産して逆転したとのこと。

その内訳を見ると、茶製品の原料とも言える「荒茶」のうち、煎茶として加工される「一番茶」の生産では静岡県が10,000トンに対して、鹿児島県は8,450トンと上まわっているけれど、ペットボトルのお茶とか最近ブームの抹茶に加工される「二番茶」の生産では、静岡県が一番茶の価格下落を回避するために生産量を絞ったこともあり、鹿児島県が全体では上まわったという状況らしい。お茶本来の製品である「一番茶」に拘った静岡県に対して、最近の需要が伸びている二番茶製品へと注力した鹿児島県の戦略勝ちとも見える結果。

ただ、こちらの産経新聞の記事に掲載されている両県での生産量の推移を見ると、コロナ禍の落ち込みは別にして、年々増加傾向にある鹿児島県に対して、ジリ貧気味の静岡県の様子が良く分かる気がします。県内でも、時々お茶の消費に関してのニュースが流れますが、お茶離れやペットボトルのお茶へ需用が移行している状況は何度も伝えられていて、静岡県の茶業には厳しい様子。対策として、緑茶だけで無く紅茶製品へと加工したり、ほうじ茶にしたりと努力はしているようですが、中々起死回生というわけには行かない様子。記事では輸出などを見据えて「碾茶(てんちゃ)」への構造転換を進めているらしいけれど、その実績が反映されるのはいつだろうか。労働力不足もあって、山間部で生産することが多いお茶作りは、やはり厳しい業種の一つだと思うなぁ。

先日のMLB東京シリーズでは、選手や選手に同伴してきた家族が日本の飲食を楽しむ様子も広くSNSで拡散されていて、その中心の一つが「Mattha(抹茶)」。自分自身、お抹茶のお茶自体殆ど飲まないし、抹茶味の製品(お菓子、アイスクリーム、スイーツ)にも殆ど手を出さないので、何故「Match」が海外からの観光客に受けるのか不思議なんですが、日本製として人気のフルーツ等と同様に、海外向けの戦略品として活用出来そうな商品の一つ。「抹茶」とは、単に茶葉を細かな粉末にしたものと安易に考えていたんですが、調べてみたら「抹茶」には明確な定義(ルール)があり、多分自分がこれまで記憶している「抹茶体験」は「粉末茶体験」なんだと思う。そう言う意味では、荒茶を作りその一部を単純に真っ茶に回すという簡単な話では無いみたい。

自分が好んで飲んでいるお茶は、煎茶の部類ではあるけれど、「粉茶」というものが好きでこれを中心に買っています。これは煎茶の茶葉を文字通り粉状に粉砕したもので、お茶の香りや色が凄く出るもの。昔はお寿司屋さんへ行って出されるお茶(上がり)は、大体この「粉茶」を使った濃いお茶で、大量に何回も茶葉を変えて出しても、コスト的にも助かるもの。昔の自宅では大きなヤカンにお湯を沸かして、朝から大きな湯飲みで祖父母から両親から、結婚する前の叔父・叔母とかがぶがぶお茶を飲んでいましたから、茶葉の消費量も半端なかったでしょうね。その点粉茶は懐にも優しいし、味も香りも良いので今でも好きなお茶です。この当たりのお茶を上手く加工して、野趣溢れるお茶風味の製品って出来ないものだろうか。1位2位の順位争いよりも、このままお茶文化が衰退していくことは回避してほしいですよね。

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