2025年3月5日

思い出とラーメン

昨日の夜7時~放送された日テレ系の「オモウマい店」は、個人的にはちょっとした「神回」でした。名古屋の駐車場の片隅を借りて、ビニールシートで囲った店舗で、300円のラーメンと200円の焼きめし(炒飯)を提供する店主。その光景だけでも、この番組にこれまで登場してきた名物店主に引けを取らない感じだったけれど、途中からタレントのみやぞんに昔キックボクシングを教えていた事があるとわかり、ちょっと雰囲気が変わります。 元々は、みやぞんの地元の足立区にいて、そこから色々事情があり名古屋(津島市)へ移動。それ以来みやぞんとは音信不通だったみたいで、「死ぬまでにもう一度会いたい」というセリフがちょっと泣かせます。

で、制作の中京テレビでの番組収録の前日に、その話を聞いたみやぞんが店舗に現れて感激の再会。いきなり二人でキックボクシングのスパーリングをするところなどや、息の合った会話の様子から、当時(みやぞん曰く、小五から中三まで)もかなり親密に教えを受けていたんだなぁと想像されます。昔お世話になった人に久し振りに会う機会があると、確かに一気にその瞬間に時間がまき戻り昔にタイムスリップしたような感覚になることがありますが、残念ながら多くの場合は曖昧な記憶は戻らず、結構互いに記憶違いを修正するやり取りがつづくもの。今回も、「師匠」と呼ばれていた店主は「中一から中三」の間キックボクシングを教えていたといっていたけれど、みやぞん曰く「小五から中三」と、微妙な違いはあるけれど、それ以外の会話の様子を見ていると、まぁ些細な記憶違いと言えそう。しかも「師匠」は、当時からこういう手作りの施設や道具を作っていたり、また無料でキックボクシングのジムを開いていたりという逸話も出てきて、ただただ「凄いな」という印象しか浮かばない。最後に互いに抱き合って、「また連絡する」と約束して25年振りの再会は終わるのですが、何か凄く良い物を見た爽快感みたいな物が感じられた場面でした。

そのみやぞんとの再会だけでも十分「神回」と感じるんですが、もう一つ個人的にツボには待ったのが、この店主が作る「ラーメン」。300円という値段ですが、自作の鳥ハムチャーシューだけでなく、やはり自作のメンマなど入った物。お客さんの殆どが、ラーメンスープを飲み干して完食する位、味は確かな様子。で、スープの肝でありタレは鶏ハムチャーシューを煮た醤油だれを使うのですが、ラーメン屋さんが命をかけるスープは、鶏ガラとホタテのスープの素を入れて溶いた物。調理スペースが狭いこともあるんだろうけど、変に素材に拘るよりは、これで十分なんだよなとあらためて納得したシーンでした。確かに大きな寸胴に大量に出汁がでる素材を入れて長時間煮込んで渾身のスープを作ることも大切だろうし努力の結果だろうけど、同じように大量の素材を使用して製品化した物が、鶏ガラスープの素だったりホタテスープの素なわけですからね。「手抜き」とか言うんじゃ無くて、「バランスをどこで取るのか」という話何だろうなと思いました。

この番組、毎週火曜日のレギュラー化される以前の特番時代の番組を見た記憶がないんですが、レギュラー化されてからは毎週欠かさず見なくちゃと思っている番組の一つ。最初は、変わった店主や大盛りなどの「特異性」みたいな物が番組の売りなのかなと思ったんですが、毎週見ていると何となく店主の「純粋さ」みたいなものが共通しているように感じられて、それがこの1時間の間に凝縮されているように感じます。パラエティー番組の範疇に入るんだろうけど、ドキュメンタリー的な清涼感みたいな物が感じられるのが、このコンテンツの強みであり、人気の秘密であり、多分高視聴率を獲得している秘密だと思いますね。これで「中京テレビ」の名前が、一期に全国区になったわけだからなぁ。この番組は、リアルタイムで視聴するときも録画するようにしていますが、今回の番組は暫く保存したままにして置こうかと思うくらいでした。

0 件のコメント:

コメントを投稿