今は一部稼働しているけれど、東日本大震災で全国の原発停止を要求した当時の民主党政権(=菅直人首相)の「呪い」がやっと溶けそう。震源地に近かった原発の一つ、東北電力の女川原発2号機が13年振りに再稼働したというニュース。順調にいけば、来月初めには発電を再開して、12月には営業運転をする予定との事。震災の原発事故というと、どうしても福島第一原発が浮かんでしまうけれど、確かこちらの方が震源地には近いんですよね。と言うか、地震の揺れで施設がこわれたわけでは無いのは、福島第一、第二も動揺で、その後の津波で施設が破壊されて水素爆発を起こしたのが福島第一原発で、第二原発はギリギリ非常電源が間に合って冷却できて何とか収束させてもの。確か今回の女川原発は、震災直後から周辺住民の避難場所としての役割も果たしていたはず。震災直後の愚策の一つで、「菅の一声」で原発を止めてしまい、さらにはその後の再生エネルギー、特に太陽光発電への優遇策が今の日本の歪んだ電源事情を作る切っ掛けになったことは、私は間違いないと思う。
今ではもう忘れてしまった人も多いのかもしれないけれど、震災直後は原発以外にも多数の火力発電所なども影響を受けて、本当に東日本は暗闇の状態に。さらには、計画停電なども行われていてかなりの供給制限をして、それに全国民が協力をして何とか乗り切ったけれど、その後は火力発電のための燃料輸入による電気代アップに、再生エネルギー優遇のためのFITの上積み料金などで、今は電気代もかなり値上がりしている状態。今回国会のキャスティングボート握る国民民主党は、ガソリン前に設定されている「トリガー条項」の撤廃を協力の前提に挙げているけれど、FITの停止あるいは廃止も追加してくれないだろうか。本当は持って以前に再検討するべき事柄だったと思うけれど、世界的な「再生エネルギー」ブームに抗しきれなかったのは、後々見直しが必要だった気がします。
地元の中部電力では、浜岡原発が当時名指しで停止要求をされて、当時の中部電力社長が「法律的にはそういう仕組みは無いが、総理の一言の意味は重い」みたいなことを言って、結局停止してそのまま。防潮堤も、当初の予定から3回だったかなかさ上げの高さが積み上がっていて、その資金だけでも相当のものだと思うけれど、未だに再稼働の目処は立っていない。技術的には、もうかなり整備されていると思うのだけれど、周辺市町村の了解が中々取れないのが最大のネックだろうなぁ。川勝前知事の時には、色々発言はしていたけれど塩漬けすることが前提みたいな態度だったけれど、鈴木現知事になったら問題点は問題点として解決策を示し、停滞ではなく何らかの前進をする切掛を何とかつくって欲しい。原発としては、浜岡原発の一箇所しかない中部電力ですから、ここが動くか動かないかでは電気料金にかなり影響すると思うし、それって経済活動では最大の要因の一つだと思うから。熊本や九州への国内外の半導体業界進出が話題になっているけれど、西日本では原発がそれでも何カ所か稼働して電気代も抑えられていることも理由としては大きいと思うなぁ。
福島や東北の震災からの復興に関しては、色々進んでいるところ・停滞しているところ・全く手つかずなところ、まだ色々な場所があると思いますが、やはり被災地の中で原発が再稼働して地域を再び支えるという意味は大きいと思います。地元的には、悩ましい所はあるとは思うけれど、別に地震で福島第一原発が壊れて被害を出したわけでは無く、その後の津波対策と総電源喪失という「有り得ない」という想定外の事が発生した事で、核燃料の冷却が十分に出来ずに水素ガスが発生して、それが爆発したのが「福島第一原発事故」の内容。となれば、津波対策、浸水対策、総電源喪失時の対策、とやるべき事は明らかだし、それが準備出来たのであれば、再稼働することには技術的観点からは問題無いはず。ただ、あれだけマスコミや周り以外の人間が服島を「フクシマ」として叩いていた影響はまだ大きいわけで、その払拭にはまだまだ時間もリソースも必要でしょう。そんな中で、この女川原発再稼働が最初のスタートになって、早く以前の「福島」に戻る事を祈りたいですね。
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