2024年9月17日

Japan Culture

真田広之氏主演・監督の「SHOGUN 将軍」が、アメリカのテレビアワード「エミー賞」で18冠を獲得して大きな話題に。多分アメリカで制作・公開された作品としては初めて殆どのセリフが日本語で行われていて、さらに時代考証等も徹底して事実に沿うように較正されていて、所謂「日本風時代劇」ではなく「The 時代劇」とでも言うべき作品になり、それが多くの視聴者の支持を得たという事らしい。

佐々木俊尚氏が紹介していたNHKの記事は、今回の主要部門発表前の14部門での受賞時に書かれた記事だけれど、アメリカで浸透している「Japan Cultutre」の様子を書かれていて、なかなか興味深い話。私が初めて海外出張でアメリカに行きだした30年位前だと、それこそ日本文化と言うものはイコールアニメとか特撮みたいなものがごく一部の「Otaku」に受けていた時代で、私の当時のアメリカでの仕事の同僚は「ウルトラマン」のファンデ、だから自分の車のナンバープレートも「ULTRAMAN」にしていたくらい。それが2000年代に入ってからでしょうか、日本のアニメがそれこそドラゴンボールとかワンピースとか、世界的にブームになり、そこからどちらかと言うと尖ったアニメ作品とかも含めて、ある意味「多様性」が受けて世界的なブームになったのは誰もが理解している話だと思います。アメリカ人と話をするときには、アメフトの知識があれば何とカナルというのは冗談半分で良く言われた話だけれど、最近は日本人とみるとアニメの知識を完璧だと思われるのかアニメの話に振られることも少なくない気がします。

日本のアニメには色々な種類があると思うんですが、例えばSF的な話でもその中に挿入されている一般的な生活の部分は日常生活そのままの表現だったり、あるいはちょっと問題にもなるけれど「聖地巡礼」みたいなことも日本アニメが切掛じゃないだろうか。それも、例えば東京タワーとか有名な場所ではなくて、地方のちょっとした踏切だとか坂の上とか、そんな場所が「聖地巡礼」として世界的に知られるようになるなんて、10年20年前には想像も出来なかったこと。食文化も、最初の「SUSHI Boom」を切掛に、ラーメン、うどん、カレー等なんて事の無い普通の食事が海外でも受けていて、さらに日本に来て新しい「日本食」例えばカツ丼とか唐揚げとか、更に新しい「Japan Culture」が発掘されているのが現状じゃないだろうか。偶然だとは思うけれど、日本文化、食文化とか生活習慣みたいなものが、海外の人達が色々な情報やアニメ、さらには現地に進出している日系企業等を通じて現地で見聞きしたり体験したりしている「経験値」をはるかに超える「現実値」を日本に来ると発見して体験して感激するところじゃないだろうか。しかも、元々安い価格に円安もあるから、お得感というか付加価値は半端ない気がする。さらには、コンビニが全国を網羅されていたり、公共交通機関が整備されていたり、さらには日本人からすると最近は物騒になった気がするけれど海外基準では夜でも安心安全な環境とか、彼らが語る感動の内容はそれなりに納得出来る気がします。

そういう日本に対しての憧れはかなり「尊敬」みたいなものに近づくだろうし、そうなれば「本物」を求める気持ちも大きくなるんじゃないだろうか。そんな中で、見た目は異質で言葉も分からないけれど、案外アメリカ人からしたら「SHOGUN」の世界は、スタートレックでエンタープライズとボーグやクリンゴンが対決していたり、スターウォーズで帝国軍と反乱軍が対決しているようなイメージで理解出来ているのかも。それでも最大の功績は、やはり真田広之氏が長い時間を掛けて、色々な努力をしてそれに関わる大勢の人の強力がやっと結実した結果だと思う。私は真田広之氏とほぼ同世代で、だから彼が俳優として日本で活躍していた時代も、JACに入って「千葉真一の後継者」みたいな事を言われていたことも覚えていますし。そこから世界を目指してハリウッドに拠点を移していって、向こうの作品にも出演していて実績を積んでいたことは知っていたけれど、まさかここまでの成果になるとは正直想像すらしていませんでした。ある意味夢を信じて追い続けて、そして実現した「成功者」なのかもしれない。「成功者」と軽い一言で言える業績では無いと思うけれど、そうだなぁ「達成者」とでも言った方が真田氏には相応しいのかもしれない。これで日本の制作会社の中でも、しっかりと資本を掛けて作品を作るところがでてくれば理想的ですが、ことお金の話になると渋いのが日本の社会だからなぁ... それだけはハリウッドに勝てない最大の理由だと思う。

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