2024年9月17日

無人バレーパーキング

佐々木俊尚氏の投稿から、自動で車を運搬するロボットを利用したシステム特許を三菱重工業が取得したというニュース。車社会のアメリカでは、車移動は日本で言う徒歩移動くらいの感覚で、ホテルを利用するときも車で乗り付けるのが殆ど。この時駐車場が必要なんですが、無料・有料で自分で駐車スペースへ止める場合と、「バレーパーキング(Valet Parking)」と言う、専門の配車スタッフに車の鍵を預けて、ホテル入口から駐車スペースへ、駐車スペースからホテル入口まで車を運んで貰うサービスの二種類があります。バレーパーキングも有料で(通常は、こっちの方が高い)、さらに車を移動してもらう度に配車係にチップを渡すのがマナー。多くの場合、バレーパーキングのスペースの方がホテル入口に近いから、自分で駐車場への出入りをする場合は、駐車スペースからホテルまでちょっとした距離を歩かないといけない場合も。さらに、一日一回位の利用ならまだしも、何度も出入りするとパレーパーキングだとチップ代も馬鹿にならない。バレーパーキングの場合は1日US$50位で、自分で駐車する場合は無料あるいは1日US$10~20位かなぁ。

車を移動させるこのロボットは、車の下に板状のボードを滑り込ませて、4箇所のタイヤを挟むように固定すると車毎持ち上げて、つまり浮かせた状態で搬送するもの。ちょっと前に、中国だったかなぁ、同じような構造の自動運搬装置の映像を見た記憶があって、その時には停車している車を搬送する方法としてちょっと「一本取られた」みたいな印象だったなぁ。何となくの記憶だけれど、違法駐車している車を移動させるツールみたいな紹介だった気がする。この自動運搬装置はフランスの企業のロボットらしいので、三菱自動車工業が取得した特許は、それらを利用して効率的に車を運搬・保管・管理するシステム部分のようですね。

私は車に関しては素人なんだけれど、このロボットがあれば例えば立体駐車場でもターンテーブル部分が不要になるから、その分設備節約できそうだし、その立体駐車場部分を並べたりあるいは物流倉庫で見る縦横に移動する二次元式の立体駐車場みたいな設備も効率的に出来そう。日本の場合、平場の駐車スペースを十分に準備出来る事は難しいだろうから、立体駐車場との組合せになると思うんですが、人の乗り降りや車搬入時の向きが限定できるから、それだけでも有利になりそう。この搬送ロボットは、車の下に入る部分の伸び縮みやタイヤの間隔等は自由度があるみたいですが、搬送するときの車重はどれくらいまで対応してるのだろうか。ハイブリッド・BEVになると、それだけで何百kgも増えるわけだから、最低でも2.5t、あるいは3t位の車重でも対応出来ないと実用性では厳しいのかな。記事の写真を見ると、一般的な乗用車のはんぶんくらいの大きさだけれど、車を保持したときのバランスとか大丈夫なんだろうか。

これ、スペースが厳しい日本の特に都心のホテルとか商用施設等では有効でしょうね。付加価値サービスとして利用できるホテルとかイベント会場みたいな場所が中心なのかな。ただ、アメリカで導入される事は無いかもなぁ。一つはバレーパーキングとしての利用料金はホテルの収入になるし、さらに配車係としてはチップ収入が無くなる訳で、それだけで反対が大きそう。一般の駐車場に使用するには、どうだろうか。例えばモールの入口に「車だまり」みたいな何代か車を置けるスペースを用意して、モール内での買い物が終わったり、一番近くの出入り口前に車をスマホアプリで呼び出しておけば、出口を出たところに自分の車が待っている、みたいなサービスは可能かも。アプリ経由だと全体の配車状態も分かるだろうから、混雑している場合には「少し時間が掛かる」みたいな表示も出来るだろうし。でもなぁ、やっぱり混雑しているときには逆に不満やストレスの元になりそうだし、TPOを考えて導入しないと厳しいだろうなあ。これ、自家用車でも、自分のアパートやマンションに駐車場がなくても、自動的に近くの駐車場に運んでくれることで車庫証明とかも取れるんだったら、車保有する人は増えるんじゃないだろうか。ライドシェアする場合でも良いだろうし。ついでに、充電までしてくれればBEV利用でも安心かも。そう言う「自動搬送サービス付きマンション」なんていうのも登場しそう。

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