2024年8月21日

NHKだけの問題じゃ無い

NHK国際放送のラジオニュースで、業務委託をしている会社の中国籍担当者が、生放送中に原稿にも書かれていない「尖閣諸島は中国領」と放送して問題になっている件。中国の浸透工作だとか色々言われているけれど、仮にそうだとしてもこの担当者はもう20年近くこの翻訳作業をしていて信頼も厚いのに、特に尖閣諸島で揉めている状態でも無いのに、わざわざ騒ぎになるような事を言う理由が分からない。しかもその直前のニュースは、靖国神社への落書き事件に関してで、特に尖閣諸島と直結した話題でもない。 強いて考えると、数日前に尖閣諸島にメキシコ国籍の男性がカヌーで漂着し、それを日本の海上保安庁が救出して書類送検をした事件があり、これは日本の実効支配を示す実例何だけれど、これを中国側としては面白くないと感じてこういう行動を起こさせたのだろうか。

理由はどうあれ、NHKとしては意図しない放送をされてしかもそれが外交的に重要な要素の一つである尖閣諸島関係の話題というのは、大きな失態であることは間違いなく、それなりの対策と責任問題は避けられないと思う。でもどうせ、「今後は録音で対応する」とかで終わって有耶無耶になるんだろうけど。ただ、今回はこういう行為が偶々発覚したけれど、中国語以外にも多数の言語で国際放送をしているNHKのこれまでのコンテンツで、同様の事件はなかったのだろうか。結構気がつかずに、オリジナルの原稿の意図とは異なる内容やニュアンスに翻訳されてそのまま放送されている事って、案外有るんじゃ無いのか。

NHKだけでなく、少し前には毎日新聞で日本語版の記事と英語版の記事の内容が乖離して居るとして結構ネットでは問題になっていたけれど、結局あれも毎日新聞が何か対策したという話は聞かないし、その後も誤解を招く内容というよりは全くの創作記事みたいな英語記事が掲載されていることが有ったんじゃ無かったかな。あれらの英語版記事の問題は、オリジナルの日本語記事に書かれていない内容が、しかも真偽不明な内容が英語版では記載されていて誤解を招くような内容になっていたり、全く日本語版では掲載されていない英語版独自記事が掲載されていたりして、今回のNHKの事件よりも酷い内容だったけれど、それでも何となく有耶無耶で終わって今では忘れている人の方が多いだろうし。

生成AIを活用して、原典の日本語記事に関しては、自動的に可能ならばリアルタイムに複数言語に翻訳して、それをどんどん配信する・出来るような仕組みって、もうそれなりの精度で可能何じゃ無いだろうか。最近余り見なくなったけれど、少し前にだとニュース原稿の読み上げをテキストスピーチのソフトで代用することを、あちこちの放送局でやっていたけれど、あれってもうやっていないのだろうか。国の研究支援として、AIでの自動翻訳、それも特にテキストデータや画像データを自動的に翻訳するようなシステムって、これからの情報発信として重要だし、色々課題が提示されているインバウンド対策としても有効だと思います。例えば先日の台風情報だとか交通情報なんか、どんどん翻訳して各言語別に配信すれば、かなり助かるインバウンド訪日客は多かったのでは。だから、翻訳の問題はこれからは「機械化」することでかなり軽減させることが可能だと思うんですよね。例えば今回の件の反省と対策として、NHKの研究所にそういうシステム開発をするように依託(強制?)するとかしたらどうだろうか。自動化できれば、それを使って他のメディアの翻訳記事の整合性と信頼性を評価するシステム何て言うのも直ぐに作る事が出来そう。

0 件のコメント:

コメントを投稿