2024年6月5日

マクロの観点

佐々木俊尚氏のVoicyから、マイナ保険証のマクロ的観点について。マイナンバーカードの保険証としての利用(通称「マイナ保険証」)に関しては、マイナンバーが絡むからか、あるいは政府のやることには何でも反対みたいな人がいるからか、未だに普及率も今ひとつで、あと半年後に迫ってきた切り替え時期にも間に合いそうも無い。さらに、マイナンバーカードを取得していない人用に、別の保険証を発行するみたいな本末転倒な話迄出てきていて、未だに混乱している印象。

年齢的に複数の病院に通院している自分も、マイナ保険証に切り替えているんですが、これは厚労省側の努力不足かなと感じたのが、とある個人病院にはマイナ保険証の端末が2台あって効率良く受付できたのに、某大学病院には1台しかマイナ保険証端末が無く、しかも先日自分が利用した時には、その唯一の端末が故障中で使えなかったこと。偶々予防策として、既存の保険証なども常に持ち歩くようにしていたので、その日の受付は問題無く出来たんですが、地元を代表するような大学病院がこんな状態なのは困りますよね。コスト問題とか切替に伴う手間の問題とか色々あると思うけれど、そこは大量に補助金を投入するとかしてでも、ちゃんと切替作業を進めるべきだと思う。

閑話休題。佐々木氏のVoicyでは、一般的なメディア等はミクロ的な観点、つまり末端の利用者の不便なり問題ばかりを取り上げているけれど、本来はマクロ的な観点、つまり保険医資料制度全体の最適化と公平性の担保がどれだけ進められるのかと言う話をするべきと言う物。良く「財政再建」とか「行政の効率化」という事を言う人達は、決して社会保障費には踏み込まないんですよね、一番大きな存在であるのに。効率化とか健全化と言う事を本当に進めるのであれば、一番効果がある一番大きな部分を最適化することが重要なわけで、となれば医療費の最適化を進める事は正道だと思う。無駄を無くして、その分医療従事者への補填・補償に当てるというのが、最近の賃金アップ等も含めた正しい方向性だと思う。でも、マイナ保険証でも成りすましが出来るとか、使えない人がいるとか、何かミクロな話をマクロな話のような伝え方をして阻止しようとしている気がしますね。

Voicyの中ではETCの例を出してマイナ保険証の普及停滞と重ね合わせているけれど、本当に同じ構図が当てはまると思う。人間どうしても初物に対しては身構えてしまうし、既存の方法から移行することは躊躇するものだけれど、いったんその方法に慣れてしまい利便性や効果を知れば、案外コロッと移行して不満もなくなるもの。ただ、その移行に掛かるエネルギーって、年々大きくなっているような気がします。それは自分が年を取り、見えない抵抗感を感じることも有るのかもしれないけれど、やはりそれまで知らなかった「未知の方法」というものには、どうしても不信感を感じてしまうのは人の性でもあるかも。開くまで個人的な認識だけれど、この医療関係の予算というか経済規模って膨大だから、結構不正行為も入れやすいというか、そういう環境にあるような気がします。よく言われるのが、複数の医療機関を受診して大量に薬を入手して、それを違法販売するとか、本来の目的では無けれど効果があると言われて例えばダイエット薬として大量に出すとか、メディアもこれまで報道してきたのに何でそういう部分を伝えないのだろうか。さらには、偽装保険証に揺る不法な医療受診に関しても、決して小さくないと思うのだけれど。個人的には、全体を俯瞰できる環境がこれで出来るから、それによって「集合知」みたいなものが得られて、例えば病気の流行の前触れを検知したり、病気の相互関係みたいなものが見えて新しい治療方法や環境が生まれてきたり、かなりメリットは大きいと思う。個人の不便さというのは、開くまで移行時の一過性の問題なのだから、それよりも全体としての問題点を挙げるとか、逆に利益を伝えるとか、そういう部分をもっとメディアは仕事するべきだと思う。 

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