2024年3月25日

慣れに潜むリスク

小林製薬が販売している「紅麹」成分を含む健康食品を摂取した人に、健康被害が発生している問題。当然、小林製薬としても事前にちゃんとした検査なりをして販売しているだろうから、なんでこの段階でこう言う事が発生するのかその原因というか背景が良く分からない。検査の時点では問題なかったものが、その後販売用に製造した時に、例えば何かのロット単位で不純物が混入したとか、製法の微妙な違いで異なる結果が発生してしまったのか、色々想像は出来ますが今はまだ不明な状態。

今回問題が深刻なのは、製造元は小林製薬で小林製薬もサプリの形で販売しているけれど、「紅麹成分」を素材として外販もしていて、同じものを使用して商品開発・販売をしている50社にも影響していると言うこと。各社は一斉に商品回収などの対策を取っているようですが、その影響や範囲はかなり大きい事は想像するまでも無いでしょう。最近は、「機能食品」ということで、こういう健康成分を添加した食品が多く販売されていて、特に「麹」というのは日本人には昔から馴染みの素材でもあるから、無意識に「安全、安心、効果のあるもの」という考えが生まれてくるでしょうから、付加価値としては大きいものだと思います。また単に「麹菌」というのでは無く「紅麹」という名付けで、「紅」というのは明るいとかお目出度いイメージも生まれるから、より信用してしまう素材であることは確かでしょうね。

小林製薬の会見では「本来想定していない成分が含まれている」 と説明しているんですが、これが「何」で「どの様に混入」したのか、その部分の解明を早くしないと、紅麹あるいは麹自体の問題として、今回の紅麹素材使用しよう品以外にも影響がありそう。気になるのは、仮にその「想定外の成分」が、製造工程の何かの影響、例えば温度管理とか麹の育成方法のちょっとした違いで発生するとなると、一般的に普通に麹を使用している他の食品には影響無いのだろうか。例えば、米麹とか塩麹とか普通に料理にしようしていますが、それも同様の事象を発生させる可能生があるなら、ちょっと深刻な問題のような気がします。商品として製造されて提供されているものは、それなりに検査や検品もして居るだろうからリスクがあるとしてもかなり低くなるだろうけど、例えば個人で塩麹を作ってしようしている人などは、ある意味かなりリスクを犯しているのかもしれない。

「自然〇〇」とか「手作り〇〇」というのは良く聞く話何だけれど、個人的には結構リスクもある話だと思っていて、特に発酵食品とかの場合は、その目的の微生物が利用されるならば良いけれど、ちょっとしたことで似て非なる危険な微生物が生まれてしまうこともあるんじゃないだろうか。茸狩りをして、目的の茸似よく似た毒茸を採取して食べてしまい、苦しい経験をする、みたいな事が、結構似たようなリスクが「自然食品」系にはあると思います。発酵食品は、日本では長い時間を掛けて昔から利用されている「技術・知識・経験」だから、ちゃんと理論も分かっているものだと思うけれど、一つ間違えば腐敗とかカビ発生とかにも繋がる訳で、安易にマネをしていくのも問題じゃ無いかなぁといつも思います。まぁ、安易に考えて手を出すべきでは無いし、過信してもいけないという事なんでしょうね。

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