この週末、ネットで話題(問題?)になっていた、大阪での「母国語必修」の話。どちらかと言うと、日本に居住しているのに日本語を学ばないのは怪しからんみたいな反応が多いように感じるんですが、記事の無料公開部分だけ見ても、個人的には別に問題とは感じない。なぜならば、
一部の府立高校に日本語が十分できない生徒の入学枠を設け、現在8校ある。この枠で入った生徒は、日本語学習とともに、週2時限ほどの母語学習が必修となる。
と書かれていて、要するに日本語を捨てて母国語を学ぶのでは無く、日本語も学んだ上で母国語への対応をするというもの。日本で居住する以上は、日本語能力は必須なわけで、そこをなくしては日本に居住している意味も無いわけですから、そこは日本人以上に補修というか、学べる機会は作るべき。その上で、母国語必修となるわけだから、学ぶ方の生徒も大変だろうなぁ。
これ、一つの学校内でやっているから分かりづらいかもしれませんが、海外に親の仕事の都合などで家族全員で移住した場合、子供は現地の学校に通いつつ、放課後とか週末には「日本人学校」に通うような場合と同じ事じゃ無いだろうか。勿論、私立学校なら全く問題無いと思うけれど、公立学校がそういう事柄に支出する場合は、より公共性を考えないといけないと思うけれど、目くじらを立てるような話でも無いと思うなぁ。
例えば、記事ではタガログ語の教育例が掲載されているけれど、そこにその学校の日本人生徒が参加して、一緒にタガログ語を勉強しても良いわけですよね。あるいは、英語とかドイツ語とか、そういうコースも有るなら、それって語学塾と変わらない気もするし。最も、発端が関西で微妙な問題でもある在日韓国人・朝鮮人の指定対象のものだったというのが、ちょっと悩ましいところですよね。最近では批判を浴びることも増えてきたので、朝鮮語だけでなくそれ以外の言語まで広げる事で、この教育機会を残すためなのかもしれないけれど。
移民問題だとか、永住権(永住許可)問題とか、最近では多民族共生関係の話題が増えてきているけれど、これまで島国という地勢上の理由から国外との行き来ややり取りが少なかった日本も、交通機関の発達だけでなく情報の流通もものすごいスピードで拡大している今、ずっとそんな状態でいられるわけが無い。さらに言えば、色々な理由から魅力がある場所と認識されれば、外から日本に来たいと思う人も増えるはず。だから、多民族共生というのは、その「多民族」の度合いにも寄るけれど不可避の話。その上で、やはり来て貰う以上には、元々いる人達から歓迎されるような行動だったり資質の人に絞りたいわけで、そこは厳密に対応するべき。「不法滞在」という言葉が、当然の権利みたいな使い方をされるのは、やっぱりおかしいと思う。一方で、色々な理由から日本に住むことになり、その為により良き「日本の住民になろう・なりたい」という人に対しては、色々な形の支援や援助をすることは否定するべきでは無いでしょう。案外この母国語必修は諸刃の剣だと思うのは、今「子供が日本語しか話せない」という理由から、滞在延長申請する場合、「いゃ学校で勉強しているから話せるでしょ」という状況になるかもしれない。そう言う意味で、かなり複雑な状況が生まれる可能性が有る教育問題じゃ無いかと言う気がします。
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