2024年2月18日

H3ロケット打ち上げ成功

前回の失敗から1年。日本の新しいH3ロケットの打ち上げが、今回は無事に成功して、日本の宇宙開発への新しい一歩になることに。 前回の問題箇所である、第二弾ロケット点火装置を改善し、H2Aで実際に搭載して確認して、文字通り万難を排して満を持しての打ち上げで、関係者にとっては本当に長い一年だったと思う。

規模や内容は大きく異なるものの、私も製品の開発業務に関わっているので、そういう苦労や困難はある程度はわかるし共感できる部分も多いと思います。特に、前回も散々言われたけれど、日本の場合は「失敗」が許されない雰囲気があるから、それがすごい圧力になるんですよね。今では世界の宇宙開発を牽引するSpaceXにしても、当初は打ち上げるたびに失敗したり墜落したりして散々言われてきたけれど、その積み重ねが知識や経験そして技術の蓄積になり、いまでは本家のNASAを上回る力をつけてきているわけですからね。発明王のエジソンの言葉と言われる「失敗は成功の元」という言葉は、まさに発明とか製品開発における「真理」だと思う。

もちろん、失敗ばかりで成功しないことはそれはそれで問題だし、失敗するにしてもそれによって失われるお金や資産、そして次の挑戦に進む資金や資源など、失敗すれば課題も増えていくわけです。だから、失敗したことからどれだけの「情報」を取り出して次につなぐことができるか、その組織の底力が試されるフェーズでもあるんじゃないかと個人的には思うわけです。自分も、自責・他責含めて開発業務では数々の失敗や問題発生と付き合ってきたけれど、やはり失敗するにはそれなりの理由がちゃんと存在しているんですよね。逆に成功したと思われることも、あとから見直してみると実はたまたま運が良かっただけみたいなことがわかって、結構ゾッとして慌てて修正対策を入れたりすることもありますし。そういう、「見えない失敗」も含めて、失敗だとか問題対応というのは、すごく重要なことだと思うけれど、世間の評価は全く厳しくて責任者や担当者は責められるばかり。それが人災の場合は、それも仕方ないだろうけど、やはりちょっと理不尽な部分があるとも感じます。

今回のH3ロケットでは、ペイロードの増加、コスト削減、開発期間の短縮等改善が進み、今世界で一番利用されているSpaceXと競争できるくらいまで近づいてきたらしい。特にロケットビジネスの場合は、製造や準備に時間がかかることもあるけれど、やはりどれだけの頻度で打ち上げることができるかも重要で、それが量産によるコストダウンとか経験値の蓄積という次への資産にもなるんですよね。SpaceXは、それを無尽蔵に近いくらい投入したから、あれだけの短時間で一気にトップ企業に躍り出たわけだけれど、日本も可能ならば月に一回の打ち上げくらいのペースに持っていきたいですよね。今は年六回が目標らしいけれど。打ち上げ帰化会を増やして、大学や研究機関の衛星開発も促進すれば、波及効果も大きいだろうし。災害対策として、準天頂衛星のバックアップとか、 Starlinkみたいな衛星通信網整備なんていうのも、自然災害の多い日本では重要なはず。今回の成功を、是非次の成功に繋げて、月探査や有人打ち上げとかのステップに進んで欲しいですね。JAXA頑張れ!

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