2024年2月9日

「EXサービス」と「えきねっと」

ITmediaの記事から、JR東海の「EXサービス」と、JR東日本の「えきねっと」の違いに関して。利用頻度には大きな違いがあるけれど、どちらのサービスにも登録して利用している自分としては、記事に関してはまあ頷ける内容。ただ、記事にも書かれているように、JR東海から結果的にJR西日本、JR九州までの新幹線利用に特化した「EXサービス」と、JR系列最大の会社で、在来線から特急さらに新幹線まで複数の電車種別が運行する多数の路線を有するJR東日本の「えきねっと」を比較して、「えきねっと」は使いづらいと言うのは、ちょっと不公平だと思う。

記事のコメント欄を見ても、「えきねっと」を中心に利用していると思われるユーザーは好意的だし、そうで無いユーザーからは不評なのは、やはり「慣れ」の問題も大きいと思いますね。これは、アプリ開発でいつもぶつかる壁みたいなもの。例えば私もMS-Office関連では、途中から入ってきた「リボン」に関しては散々批判してきたけれど、十人十色どころか百人百色、千人千色、千差万別な理解や考えを持っているユーザーに対して、「これがベスト」という答えは無いはずなんですよね。そこを提供側の「これなら便利なはず、分かりやすいはず」という押しつけみたいなものを見せてくるから、ユーザーは成れる前に反発してしまうのが、殆どのユーザー意識だと思います。

「えきねっと」では、私は殆どの場合成田エクスプレスの予約で利用するのですが、ログインをしてトップ画面に入ったところでいつも迷うのが「N'EXはどこだ」という事。今だと、ログインをすると「申込一覧」という部分が画面2/3位占めていて、その下に「新規申込」という部分があります。ここから新幹線や在来線の申込ができますが、更にその下には「在来線チケットレス」というリンクがあり、ここをタップすると、路線、発駅着駅、日付け、人数を入力する検索画面が表示されます。「路線」のプルダウンメニューには、成田エクスプレスを初めてした、JR東日本管内の特急列車がリストされているんですが、今見ると23路線もリストに掲載されていて、ここから探すだけでも大変そう。 この「似て非なるエントリー」が並んでいるのはどうだろうか。エントリーは一つにして、その中で切符の種別で「チケットレス」を選択出来るようにするとか、日付け設定で「複数の日付け選択」にするとか、最初から「どちらにしようか」と悩ませるのではなく、必要な時に選択肢として提示するほうが分かりやすいと思うのだけれど。それでも、以前よりもごちゃごちゃ感が減ってシンプルになったとは思うけれど。

まだ多くの人がアプリに馴染めず、実際に駅の窓口利用する人が多いのも理解出来ます。幾ら便利だからと言って、コンビニでそのコンピに専用の決済手段を全員が利用するわけでは無いですからね。コメントでも指摘されているけれど、JR東海は「EXサービス」は便利だけれど、在来線や在来特急用の「えきねっと」的アプリは無いのでJR西日本の「e5489」がカバーするような形なんですが、JR東海管内の路線を考えると、無理に自社開発に拘る必要は無いし、そういう相互協力みたいなものは正解だと思う。一方でJR東日本は、大きな管内の複雑な路線をカバーしないといけないし、今度北陸新幹線が新大阪まで延伸したら、JR西日本との相互利用だけでなく、「EXサービス」とも山陽・九州新幹線との接続を考えると連携がひつようになるでしょう。そうなると、そのうちに新幹線部分は「EXスマート」に、在来線や複雑な切符購入は「えきねっと」に統合されて収斂して行くのかも。ただ、新幹線と在来線を乗り継いで旅行する人も多いだろうから、その二つのアプリの上に来るようなフロントエンドアプリを準備して、さらに両方のアプリの見た目(Look-and-Feel)も共通化していって、汎用的な一つのアプリになれば、ユーザーとしては一番嬉しいのかも。ただ、それには時間が掛かりそうだなぁ...

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