2024年2月5日

引分け将棋

将棋の棋王戦が昨日開催されて、藤井八冠としては初めての「持将棋=引分け」という結果に。将棋に馴染みが無いのだからビックリしたのだけれど、将棋にも「引分け」というものがあるんですね。イメージ的には、トランプのババ抜きみたいに、どんどん相手の駒を奪って、最後は1対1の勝負になって勝敗が付くみたいな勝手なイメージが有ったんですが、将棋の場合はそんな単純なものでは無いらしい。

面白いのは、指し手両者の合意によって成立する(その為の条件はあり) 事なので、つまり対戦相手同士は先読みをしてもう手が無いことを認識している状態にならないと成立しないこと。片方が、例えば何か勘違いをしていて、実は引分けに持ち込めるのに、少し手を間違えて場面が崩れて、それが突破口になって敗れる・勝利する、みたいな事は無いのだろうか。で、公式戦だと「引分け」は、もう一度やり直し「差し直し」となるのだけれど、今回の様なタイトル戦では「引分け」となり、今回の棋王戦では「0勝0敗1分」となるらしい。ここで疑問なのは、5戦有る対戦で2勝2敗1分となったら、タイトルはどうなるんだろうか。一般的にはタイトル保持者が有利になるから、その場合にはタイトル移動せず防衛成功と言う事になるんだろうなぁ。

TLの書込を見ていると、藤井八冠はわざと場面を崩して多少自分が不利な状態にしても、そこから巻き返して勝利することが出来るだろう。それよりも、初めての経験なのであえて引分けを選んで、今後の研究の材料にしたのではと言う話も出ていて、確かにそんな可能性もあるかなぁとい納得してしまうのが、藤井八冠の凄いところなのかも。実際にどうなのかは分かりませんが、5戦有ってしかも段位だけみれば下の伊藤七段なので、残り4戦で2勝は可能という読みも、もしかしたらあったかもしれない。いゃ、そこまで藤井八冠が奢っているとは言わないけれど、それ位の勝算があるからこういう引分けに持ち込むことも出来るんじゃ無いかと言う素人考えですが。

スポーツの場合「引分け」というのはある意味最悪の結果で、よく言われるのが「引き分けるのは妹とキスするようなもの(=キスしても興奮しない、つまらないこと)」という話。だからアメフトの場合は、最後に何とか逆転しようとするし、それで失敗して敗れても、同点狙いをして同点に追いつくことよりは評価されますし。後アメフトの場合、今回の棋王戦や野球のように「何戦して何勝したら優勝」みたいな対戦形式は無くて、リーグ戦を除けば一発勝負ですからね。そのリーグ戦でも、同地区、同カンファレンス内対戦の結果が順位決定に影響するので、引分けするよりはリスクを取って勝利を取りに行くことの方が重要。それに4Qで同点の場合はタイブレークまで適用して勝敗を決めようとする仕組みになっていますし。それでも、幾つか引き分け試合が発生するからスポーツは分からないものだと思うけれど。しかし、引分けであったことがこれほど大きく取り上げられる人物も居ないでしょうね。それだけ凄い存在だと言う証しだと思う。

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