2024年1月2日

DOS/Vの終焉

PCWatch、山口真弘氏のコラムから、世の中の表記から「DOS/V」が消えた2023年に関して。DOS/Vの開発に直接関わったことは無いけれど、自分のパソコン経歴の中で、その誕生以前から今回の終焉まで、色々な形で関係してきた一人としては、感慨深いものを感じる記事。 

当時のパソコンは、ハードウェア互換性の時代で、それは今で言うファームウェアに相当する部分やBIOSも含めてハードコードされて組み合わされたもので、それ故に自由度は少なくてアプリケーションというものは、そのハードウェア(=PC)に合わせて修正して行くものだったなぁ。そんな中で、当時のIBMが開発して販売された「IBM-PC」後に「PC/XT」から「PC/AT」とPCの規格(アーキテクチャー)が、その仕様を公開したこともあって、あっと言う間に業界標準となり、IBM-PCは標準になったけれど、その後はより安く高性能な互換製品がどんどん登場して、結果的にはIBMは最後にはPCビジネスから撤退することになるのだけれど、それはまだ先の話。

そのIBM-PC上で使用されるOSとして「PC-DOS」が当時のMicrosoft社が提供して、そこからMicrosoftの歴史が始まるのだけれど、当時のOSである「DOS」にしても、ビデオアダプター回りとかPC各社独自仕様があったため「〇〇DOS」みたいな形で、各メーカー毎のバージョンが提供されていた時代。当時は、国内ではNECPCがマーケットの過半数を超えるくらいのシェアを持っていたので、IBM-PCやPC-DOSは日本ではマイナーのマイナーだったけれど、底にソフトウェアで日本語表示や入力を実現するという「捻り技」から生まれたのが「DOS/V」でした。当時は、まだマシンパワーも非力だったから、日本語表示でスクロールすると再描画がトロトロと書き換わるなど、結構不評だったけれど、まぁ色々な苦労の末実用上問題無いくらいのレベルになって、結果的にはNEC-PC以外の国内PCメーカーはDOS/Vに乗り換えた訳だし、最終的にはNEC-PCもDOS/V機を出したわけですからね。

DOS/VというかPC-DOSは、長くPCの互換性維持の指標、あるいは診断プログラムなど簡易な利用時のOSとして最近まで使われてきましたが、そのDOSを支えるCBIOS(Compatible BIOS)がPCに実装されなくなって、その機能実現も出来なくなってその使命を終えたけれど、まぁ自分のエンジニア人生の中で半分位はDOS/VやPC-DOSにお世話になったかなぁ。私は、大学生時代にはDOS以前のOSとも呼べないような、当時は「モニター」と呼んでいたものをロードして、そこからコマンドを打ち込んで簡単な操作をしたりしていた経験もあるから、DOSが出てきて電源を入れるだけで必要なソフトが直ぐに実行出来る事に感激しましたが、あれももう40年近く前の話かぁ(苦笑)。色々面白いこともあり、新しい発見もあったり、本当に良い時代でした。

0 件のコメント:

コメントを投稿