2023年11月20日

〇〇系YouTuber

「私人逮捕系YouTuber」なる人物が、根拠無く名誉毀損行為をしたという事で自分が逮捕されたらしい。宝塚歌劇団のチケットを転配したとして、若い女性を追いかけ回して脅迫氏、その様子を撮影して顔にモザイクを掛けるなどの処理をせずに根拠の無い嫌疑を掛けたことが、名誉毀損に当たるらしい。その女性が本当にそういう転売行為をしていたのかどうか別にしても、明確な証拠も無く勝手に第三者を容疑者扱いして、しかも本人の同意を得ずに公の場(=YouTube)に公開する行為自体、どう考えても認められるものでは無いと思う。

先日も「迷惑系YouTuber」でブツブツ呟いたけれど、今回は「私人逮捕系YouTuber」と、また良く分からない名称というかカテゴライズされた分野の映像らしい。「逮捕権」とは、警察官とか定められた職務の人にのみ与えられているもので、その中でも厳正に運用されなければならないもの。その人の自由を奪う事になるわけだから、それは当然ですよね。その中でも、「現行犯逮捕」は私人による行為でも認められているけれど、今回のYouTubeの事例では「あなた転配したでしょ」と証拠も示さずに相手に迫っているだけで、これを「私人逮捕」と認めたら、好きなように相手に難癖を付けて逮捕だと言えてしまう。

報道などを観ていると、正義感からというよりはそう言う刺激的な映像を作る事で視聴者を増やして、収益化することが目的ということで、もうその時点でアウト。先日無銭飲食や無銭乗車で日本を旅行していた外国人YouTuberとか、有名人やタレントの暴露話をネタに動画作成していた元参議院議員とか、「迷惑系」「暴露系」と「〇〇系」の中に「私人逮捕系」みたいな新ジャンルが出来るというのは、それだけ「人の不幸は蜜の味」と感じる人が多いという事なんでしょうね。画面の中の様子を見て、興奮したり笑ったり憤ったり、自分の気持ちを騒がせることが快感になるのかもしれないけれど、それって一歩間違えれば自分がその画面の中で困らされている立場になる可能性もあるわけですからね。

今回の私人逮捕系YouTuberの収益化も早速停止されたらしいけれど、こういうチャンネルはどんどん通報して停止させるべきだと思う反面、それが悪用されて問題無いのに停止に追い込まれるチャンネルも有るのが困りもの。ちゃんと検証して判断してくれれば良いけれど、流石に膨大なチャンネルの一つ一つを検証する余裕も時間も無いので、有る程度自動的に措置が取られて、そこから異議申し立てがあると初めて審査されるみたいな仕組みらしい。 そう言う類のコンテンツが増えてきていて一定の認知を受けているというのは、それだけそのプラットフォームが社会的に成立して一部になっている証拠だと思うのですが、これまでなら精々自分の回りで噂される程度だった話が、今はSNSで世界中に拡散されて反応が戻ってくるからたまらない。一般社会の裁判で「名誉毀損」の訴訟を起こしたりするのは、かなり難しいらしいけれど、SNSの世界でもそうなのかな。それこそSNSなのだからAIを活用して効率的にかつ客観的に判断されるような仕組みがあっても良いと思うけれど。でも、それって何となくそのままデストピア社会へと繋がりそうな不安も感じるし。結局は、そう言うものに手を出さない、興味を持たない、少なくともそれなりの距離を常に維持していることが一番重要なのかも。

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