先日Amazon Primeを見ていたら、ルパン三世の次元大介を取り上げたスピンオフドラマみたいな物を放送していてビックリしたんですが、少し前には人気アニメのワンピースの実写版がNetflixで制作されて、これはこれで結構評価も高かったらしい。
過去、アニメとか漫画の実写版なる映画とかドラマは数多く制作されてきたと思うんですが、「アニメを越えた」とか「アニメよりも面白い」みたいな評価を得た実写版ってあるんだろうか。アメリカだと、アメリカンコミックのヒーロー達の映画が数多く制作されていて、あれはかなり成功していると思うんですが、あれってアメコミの主人公をコスチュームや特殊メイクで映像化しやすいこともあるのかなと思います。例えば今回の次元大介だけれど、主演の次元大介役には俳優の玉山鉄二さんが演じています。正直、顔の作りが違うのが個人的には凄く気になる。次元大介といえば、顎髭が特徴的な少し細見の顔つきというイメージ何だけれど、玉山鉄二さんって丸顔系だと思うと、ちょっとイメージが違う。ワンピースの実写版は、海外の俳優さんが出演していて、主人公のルフィーも漫画の表情とは違う感じの俳優さんなんですが、案外評価は高いらしい(ナミは違うと言われているらしいけれど...)。それぞれの登場人物が持つ特殊能力がCGで上手く描かれていて、それ故に漫画との親和性を感じるのかな。
昔のアニメは、基本手書きのセル画を何枚も用意して、少しずつ動作や表情を変えながら一枚毎に撮影した物を連続して投影することで動きのある映像を作っていました。合成技術が生まれてくると、実際の人間とアニメが一つの画面に登場する事も出来るようになって、その中でも一番記憶に残っているのは「ピンクパンサー」かなぁ。本編では無く映画の宣伝でしか登場しないと思ったけれど、あれは凄く子供心に衝撃的な映像でした。その後CGの時代になって、まずは特殊効果がどんどんCGに置き換えられていったんですよね。以前ならが、その場所へロケに行って撮影したような内容でも、ブルーバック・グリーンバックで撮影して、後から背景とか合成すれば恰もその場所でロケしたような映像が(手間やお金はかかるけれど)簡単に作れてしまう。渋谷のスクランブル交差点の実物大セットが埼玉だったかに作られていて、でも実際にコピーしてあるのはスクランブル交差点のアスファルト道路とか地下街への入口等で、背景のビル等はグリーンバックになっていて、背後のビルの書割すら無い。でも、そこにビル群のCGを組み合わせると恰も渋谷のスクランブル交差点で撮影したような映像が、何の疑いも無く出来てしまうのが今の映像業界。
最近では、CGが更に拡張されて、AIを利用して以前よりも少ない労力でより多彩な映像が可能になってきています。画面上では、全く本物の人間と区別が付かないようなクオリティの人物映像を作り、さらにその映像に自然な表情や会話すら出来るレベルのAI技術がもう普通に使われるようになってきています。そうなると思うのは、アニメの主人公に俳優さんを起用するのでは無く、アニメのキャラクターをCGとAIで作って、それをアニメ以外の実写俳優や背景と合成する方が、よりアニメの世界観に近くなるんじゃ無いだろうか。よくよく考えたら、それってMR (Mixed Reality)の世界観なんですよね。まだまだデバイスが大きいから、メガネのように常用するまでは行かないけれど、ハードウェアの技術進歩はあっと言う間だから、あと数年もすれば昔で言う所の度の強いピン底メガネくらいサイズにはなるんじゃ無いかと思うんですよね。そうなると、WALKMANが誕生して音楽と共に生活することが「普通」になったように、映像やCGと共に生活する事が「普通」になる時代はもうすぐだと思います。そう言う時代だと、今は特殊映像であるアニメと実写の境界線も無くなって、それが「実写」の世界観になるんだろうなぁ。昔の映画のように、CGどころか映像に一切加工を加えない「シン実写版」みたいなカテゴリーが新たに生まれたりして。でも、それだと迫力不足リアリティ不足だといわれて人気が出ないかもしれない。
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