2023年10月28日

全ては「自然のなせるもの」

関東学生アメリカンフットボール連盟が発表した、早稲田大学-立教大学の試合最後に発生した、誤審による逆転劇に関しての説明。早稲田大学がリードしての立教大学の攻撃。時計を止めるタイムアウトを使い切った立教は、サイドラインに出るなどして時計を止めながら逆転を狙うものの、直前のプレーは時計が泊まらないインバウンドでのボールデッドに。直ぐにプレーをしても間に合わないような状態で、一度はそのまま試合終了で早稲田大学勝利かと思われたところ、1秒前に審判の一人が笛を吹いて試合を止めたと言う事で、残り一秒から立教大学に最後のプレー機会が。ここから立教大学は「ヘイルメリーパス」という、駄目元のロングパスを投じたところ、一度は早稲田大学選手が弾くものの、それを立教大学の選手がキャッチしてTD。最後の最後に立教大学がまさかの逆転サヨナラ勝利となったのですが、その後ネット等でも色々な意見が噴出して揉めていた話。

どちらのチームにとっても悔しいし納得いかないところがあると思うし、特に試合結果を左右してしまうような誤審を冒してしまった審判団が一番悔やんでいるとは思うけれど、個人的には「これも試合の一要素」と考えるしか無いと思うんですよね。ルールの中に、例えば「試合後であっても、審判員の誤審が確認された場合には、その時点から再試合をする」みたいな事が決められていれば別だけれど、そういうルールは当然決められていないし、試合も確定している以上は、その原因に関しては検証をして再発することを防ぐ方法や仕組みを考えるべきだけれど、双方のチームに対しては残りの試合に集中させるべきだと思う。

アメフトの場合は、選手の中に審判員が何名か入ってジャッジをするから、審判員が邪魔になるとかぶつかってボールキャッチ出来ないとか、走っている時に邪魔されて進めなくなったとか、そういうケースは結構有る話。その場合でも、じゃぁそのプレーをやり直すかと言えばそう言う事は無くて、審判員はあくまで「グランドの一部」として扱われるんですよね。今は人工芝だったり、天然芝でも整備されているからそんなことは無いけれど、昔の土のグランドだと、穴があったり石ころがあったりして足を取られることはそこそこ合って、それと同じ話というのがルール上の解釈。審判が絡まなくても、例えば優勝を争う2チームが、別々の会場で試合をしていて、一方に例えば悪天候とか照明が消えたとかのトラブルが発生して、それが理由でそうで無いチームの優勝が決まった場合、だからと言って再試合しないのと同じ話だと思う。

私もビデオで何回かそのシーンも含めてこの試合を見たけれど、早稲田大学としては1TD/1TFPでもひっくり返せない点差を付けておくべきだったと思うし、今回の様にTDの6点でも試合が決まるような場合には、もっと守備に集中するべきだったと思う。特に、最後はもうヘイルメリーパスが来ることが分かっていたので、とにかく全員でエンドゾーンを固めてボールを「たたき落とす」事が鉄則。それをボールを早稲田大学の選手がチップして浮かせてしまい、それを後ろにいた立教大学の選手がキャッチしてTDとなったシーン。その前のプレーでは、立教大学側は外に出たと思っていたのか、全く残り時間を気にしている素振りが無かったんですよね。それを見て早稲田大学は、そのまま終わると油断も有ったんじゃ無いだろうか。悔しいし不満もあるだろうし、あるいは後味の悪さも感じているかもしれないけれど、もっと悔しい試合もあるだろうし、例えば自分のミスから敗戦したらその選手の後味の悪さはもっと厳しいだろうし。対策は対策としてしっかり今回の経験を生かして改善して欲しいし、試合結果に関しては将来の試合に集中して欲しいですね。確か早稲田もまだ優勝の可能性がなくなったわけでは無いと思うので、逆にこの結果を糧にして発憤して欲しいし、立教は立教で古豪復活以上の結果を残しているのだから、この結果に油断すること無く残り試合に全力をぶつけて欲しい。この試合以上の試合をすることが、相手チームや関係者、そしてカレッジフットボールファンに対して一番大切で適切な行動だと思う。

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