2023年10月19日

フィールドの広さ

XのTLで「なんで国内アメフトはサッカー場では無く野球場で試合するか謎」という書込があり、結構同意するコメントが付いていて個人的にはちょっとビックリ。先日、関西大学の試合が花園ラグビー場で開催されて話題になりましたが、色々理由はあると思うけれど一番の理由は「サッカー専用グランドだと、アメフトのフィールドが入りきらない(特に縦位置)」のが最大の理由なのかなと思っています。

スポーツというのは、どの種目でも結構厳密にルールが決められていて不平等や不正が入らないように配慮されていると思うのですが、サッカーのフィールドサイズの定義は何故か「縦(ゴールからゴール)が90~120m、横(タッチラインからタッチライン) は45m~90mとかなり幅があるらしい。だからFIFAは推奨サイズというのを言っていて、その場合は105m×68mというサイズになるらしい。ここで誤解されるのは、これに対してアメフトのフィールドサイズは「100ヤード(約91m)×53.3(約49m)ヤード」と比較されること。これはアメフトで言ったら「インフィールド」のサイズで、その両端に付くエンドゾーンが含まれていない。エンドゾーンも含む長さは120ヤード(約109.7m)になり、さらにエンドゾーンの後ろにも余裕が必要なので、115m位は最少でも必要。同じような構造のラグビーフィールドも、「縦(ゴールポストからゴールポスト)が94m~100m、横(タッチラインからタッチライン)は68m~70m」で国際試合は100m×70mというサイズが規準らしい。ここにトライするインゴールの襟の幅が10m~22mということなので、最大で縦は144mにもなるらしい。日本の場合は10m位だろうか。となると120m×70mというのが、ラグビーフィールドのサイズになります。

国内のサッカー場でも、例えばエコパの様に陸上競技場と併設されているところは別として、サッカー専用のスタジアムの場合は105m×68mを規準に、縦位置はゴールポストが入るくらい余分にあるだけだし、タッチラインの幅も狭い。自分が知っている国内のフットボール専用グランドで一番狭いのは、吹田市にあるMKタクシーフィールドEXPO(EXPOフラッシュフィールド)ですが、サッカー専用スタジアムだとあのサイズがギリギリ入るかどうかじゃ無いかなぁ。横幅も、フィールドの幅は約50mと三競技の中では一番狭いけれど、サイドライン(タッチライン)から4ヤード離れてベンチエリアが設定されるので、今の53.1ヤード+20ヤード位は最低でも必要で67m~70m位は必要になり、これはギリギリ収まりそうだけれど。問題は、やはりエンドゾーンの存在ですよね。サッカーはゴールポストにボールを蹴り込む競技だから、あの枠があれば後ろの長さは関係ない。極端な話、ボール1個の通過が確認出来る奥行きがあれば良い。ラグビーの場合は、ゴールラインを越えたところにトライをすることが全てだから、実は奥行きは余り関係無い競技。ところがアメフトの場合は、あのエンドゾーンの中でボールをキャッチするパスプレーが重要でもあるので、それこそ左右の奥の隅を狙ったパスとか、ゴールポスト際とか、エンドラインギリギリに投げ込んでくるから、そこにフルスピードでレシーバーが走ってきてキャッチして抜けて行く。だから、計算上は115m位のスペースで収まるけれど、実際は120m以上はあいていないと、奥の壁に激突して怪我をしてということもあります。昔の川崎球場なんて、エンドゾーンの角の直ぐ先にベンチが有ったりしたからなぁ。だから、一番の理由はサッカー専用スタジアムではアメフトのフィールドを十分に準備出来ないという事だと思います。陸上競技場を利用する場合は、トラック内側のフィールド部分を使うけれど、あの時も縦位置は足りなくて芝生部分からタータン部分に出てしまうので、人工芝を引いたりしますからね。ラグビー開催なんかも意識した陸上競技場だと、芝生部分が広くなっていて問題無い時もあるけれど。

ただ、それ以上に大きな理由は「芝生」だと思います。サッカースタジムアは、多分天然芝が殆どで、少なくともJリーグの試合を開催するスタジアムで人工芝の場所は無いんじゃ無いかな。で、天然芝の場合はアメフトの試合は嫌われるんですよね。理由は芝生が傷むから。サッカーの場合は、ボールがフィールド全体に回るけれど、アメフトの場合はハッシュラインと言ってフィールドの中央に40フィート幅(約12m)の帯状のエリアがあるんですが、1回毎のプレーはこの範囲内おかれたボールスナップから始まります。そのエリアよりも外でボールデッドになった場合は、横に移動させてこのエリアの端に置かれます。グランドコンディションにも寄りますが、一試合終わるとこのエリア部分だけ芝生が剥げたような、所謂「獣道」状態になったりして、それを施設側が嫌がるんですよね。サッカーでも、キーパーが動くゴールポスト前とか、フリーキックとか行われるゴールエリア付近とかは芝生が薄くなり安いと思うけれど、あんな状態がフィールドのまん中に生まれてしまうわけです。天然芝のスタジアムの場合は、試合後や試合前の芝の養生も大事な期間であり仕事でもあるので、サッカーのように全体に痛みが散らばるならまだしも、集中して芝生が痛みその部分だけが下手をしたら張り替えになる様だと、次の試合にも影響するわけで、それが一番嫌がられる理由じゃ無いかなと言う気がします。サッカー場でも、人工芝グランドにして、かつラグビー開催も可能なくらいの大きさのものが出来れば、アメフトも利用できるんですけどね。なかなか難しいと思います。

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