ITmediaの記事から、年末年始やGW期間中などの時期に、のぞみ号の自由席を廃止して全車両指定席車両で運行するJR東海の意図を解説した、杉山淳一氏の記事。杉山氏も指摘しているけれど、私もJR東海の本意はEX予約へ乗客を誘導して、発券や予約業務の効率化を進めたいのだと思う。言ってみれば、流通系のお店がセルフレジを導入して、従業員の最適化をして、全体のコストダウンを目指しているのと同じなのかなと。勿論JR東海としては、それ以前に自由席車両に乗降客が集中する事で、駅停車時間が延びてしまい、結果的に全体のダイヤの乱れに繋がる事を出来るだけ回避したいという事の方が優先するだろうけど。
そのEX予約、杉山氏も解説しているように、JR東海用の専用のクレジットカードを契約(年会費1,100円)して、そのクレジットカードに紐付けして利用する、割引率や付帯特典の多い「エクスプレス(EX)予約」と、一部の指定クレジットカードと紐付けして割引率や付帯特典サービスは不利になるけれど、年会費無料でEX予約と同等のサービス利用が出来る「スマートEX」の2種類が存在しています。杉山氏は言及していないけれど、これまでのEX予約最大のメリットは、利用区間に応じてポイントが付与されて、それを利用してグリーン車が利用出来ることだと個人的には思います。年会費1,100円というのは、多分ちょっとした距離の新幹線を利用したら、通常運賃と比較して元が取れる金額だから、個人で年数回利用するだけという人でも十分メリットがあると思うけれど、仕事で月に何度も新幹線利用をする人ならば絶対お得。私も、最初の頃はEX予約を利用していましたからね。毎週金曜日に新幹線通勤をしていたので、2~3ヶ月すると1回分位のグリーン車利用可能なポイントが貯まった気がします。ただ、スマートEX自体ポイント特典を除けばEX予約と違いは無いし、クレジットカードの断捨離もしたかったので、何年か前にはスマートEXへ完全移行しました。そのグリーン車を利用出来るポイント得点も、この10月1日からは廃止されて、逆にスマートEXにもポイント制が導入(但し、EX予約とはポイントの差がある)されるので、ますます両者の差は無くなってきたと言えるのでは。
もう一つの大きな変更点である「1年前からの予約可」に関しては、杉山氏は航空便利用との競走を指摘するけれど、これはどうだろうか。航空券の場合、会社によって多少の違いがあるけれど、ほぼ1年先までの予約が可能。だから、定期的に海外へ行くような旅行好きな人などは、その年のフライトが終わったら、次の年の予定を入れるというのが結構有るパターン。予約の取りづらい有名レストランの予約を、訪れた時に次回の予約を入れるようなもの。ただ、年末年始とかお盆の時期とか、GWに夏休み期間に連休の前後とか、やはり特定の時期には早めに予約が集中するだろうけど、平日等はそんなに影響しないんじゃ無いだろうか。それに、なんと言っても新幹線の場合本数がありますからね。多分、来月になった途端に、直ぐに年末年始とGWの予約は埋まるんじゃ無いだろうか。それで有る程度1年先予約の状況が掴めるような気がする。それに、予約変更は何度でも出来るから、先に予約して仮にその予定が無くなっても別の予約に振り替えれば良いけれど、キャンセルすると手数料が発生するわけですから、それが周知されてくるとそんなに焦って先の予約は入れなくなるような気がする。
最後のページに書かれている、EX予約以外のサービス内容を読んでいて感じたのは、EX予約はJR東海やJR西日本・九州にとってFFPやFSPと同じ「FRP (Frequently Ride Program)」とでも言うべき仕組みなんだなと。FFPやFSPは、元々は自社サービスを頻繁に利用してくれる上得意顧客への還元サービスみたいなものだったのが、単に顧客を繋ぎ止めるだけでは無く、そこからさらに収益を拡大するために、連携サービスを増やしていっているのと同じだよなぁと改めて感じました。航空会社が、フライトチケットだけでなく、旅行先のホテル予約とかイベント参加等をパッケージ化しているように、JR東海も新幹線利用の移動に、ホテル滞在にイベント参加にとパッケージ作りは昔からやっていましたからね。考えてみたら当然の流れなんだなと思います。来週からは新しいEX予約がスタートするわけで、どんな感じになるのか暫くは様子見ですね。
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