2023年9月15日

沈静化する中国世論

Wedge ONLINEに掲載された、中国からの処理水放出反対行動があっと言う間に沈静化した内幕の話。処理水放出が始まった直後は、国番号+86からの迷惑電話がそこら中に掛けられて、何度も大きく取り上げられたけれど、もうそんなニュースを聞くことすら無くなりましたしね。また、日本行きの団体旅行が大量にキャンセルされたと言いつつも、旅行業者からするとそれ程影響して居ないというのも、個人的な肌感覚としては分かります。先日も、都内や仙台あたりを移動していましたが、いつも以上に中国語を耳にする機会が多くてビックリしていたから。その言葉が「中国語」かどうかは、仕事の関係もあって分かるんですが、流石にその中国語が中国本土なのか台湾なのかはたまた香港なのかまでは分からないけれど、まだ日本への渡航が解禁される以前と比べると、中国語を聴く頻度は数倍以上になっている気がします。

記事の中でも触れられているけれど、日本に来るような有る程度余裕のある層と、それも出来ずに憂さ晴らしで日本批判をする層は完全に異なる立ち位置で、だから日本への渡航熱も多少は影響しても半減とかなくなるような事は無いという話しは、以前から言われていました。日本にも、いい大人や国会議員やメディアが、怪しげな根拠を振り回して騒いでいるくらいだから、それ以上に情報付属の海外の人が騒ぐのは不思議ではない。ただ今回は、外務省を中心に、色々な省庁の対応も素早くて、それもあってあっと言う間に沈静化したのだと感じますね。

二週間後からは、中国の大型連休である国慶節(10月1日)のお休みが始まり、大規模な移動が始まるわけで、例年日本にも多くの人が観光で訪問する時期。仮に大量なキャンセルが発生していたとすると、大きなニュースになっていると思うけれど、未だにそんな話は聴かないし、まぁ二週間もあればケロッと以前のことは忘れて、日本観光にお土産物購入にと満喫しているんじゃ無いだろうか。ただ、中国政府の面子もあるから一度始めた日本の水産物輸入禁止措置は直ぐには解除されないでしょうね。処理水放出を理由に始めたことなので、放出が終わらないと彼らとしても解除する理由にならないわけですから。でも、その間は国内の水産業への影響も大きいだろうし、輸入目的の中には中国国内での水産物加工目的のものも多いようなので、国内産業の衰退にも繋がるかもしれない。中国国内での水産物加工を委託している日本の会社は、中国以外の地域に振り替えれば何とかなるけれど、中国国内の加工業者が日本以外から仕事を持ってくるのは大変そう。個人的想像だけれど、中国本土に比べて多少は規制が緩い香港から、まずはもう少し規制を緩めて、そこかな中国国内へ入るような仕組みをそのうち始めるんじゃないだろうか。そこから、上海とか大都市圏で徐々に規制を緩めていって、だんだんと戻して行くような「だるまさんが転んだ」方式をとりそうな気がする。

今回一番大きかったのは、やはり日本の消費者が冷静に判断をして、福島産の水産物や食品を普通に購入したり、逆に狩って応援という大きな動きが出来たことだと思う。少なからずああいう日本国内の動きが、海外で騒いでいる人たちの説得力を失わさせて、一度は騒いでみたものの結局はあっと言う間に消えていく最大の理由になった気がする。未だにトンチンカンな事を言っている国内メディアも居るけれど、今回の事を契機にどんどん淘汰されるんじゃないだろうか。それはそれで、また良いことだと思う。

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